ログ・ホライズンTRPGのルールブックを買ってきた。

ざっと斜め読みした結果。

まず戦闘ルール回り。

フォーマットが統一されていてGMの感性にそこまで依存しなくても定型的に
処理できるシステムで、感覚的にアリアンロッドなどに近い感じ。
セッションもオープニング、ミドルフェイズ、クライマックスフェイズに分けた
シーン制を採用しているようです。

ただ、スクウェアマップの採用、射線や阻止能力(ZOC)などはもう少し戦術的な要素を
重視したセッションを想定している様です。移動系能力も多いしね。D&D系ですかね。特に4版。


特徴的なのは「ヘイト管理」の概念です。

防衛役が敵の攻撃を受け止め、回復役が支え、その間に火力役が殲滅するという形を
ヘイトで表しています。

・特技(技や呪文)にはヘイトの上昇値が設定されている。
・敵はヘイトが最も高いPCを殴ると、通常ダメージに加えてヘイト値xヘイト倍率のダメージが与えられる。
・敵はヘイトがそれ以外のPCを殴ると、通常ダメージのみ。しかも回避にボーナスを与える。
・ヘイトダメージは防御力などが効かず、基本的には素抜け。

重要な要素はこんな感じ。
この要素からは下記の結果が導き出されます。


・高い火力の技はヘイト値が高いので、序盤に火力職が大技を打つとボスが殴って来て死ねる。
・調子に乗って防衛役がヘイトを稼ぎまくると、ヘイトダメージが高すぎて死ぬ。
・後衛職をギリギリ上回るヘイト狙うのが一番有利だが、チョイミスでタゲがふらついて後衛職が死ぬ。
・ヘイト管理ミスって防衛役以外が殴られて即死しないように、位置取りが重要になる。
・敵はヘイトが高いPCを殴る方が有利。時にボスはヘイト倍率が高いのでその傾向が高い。
・防衛役のヘイトが高まると、ボスのダメージが上がり、火力職も大技が使えるので、派手になる。

たぶんこんな感じでしょう。
「1ラウンド目に最高火力で有無を言わさず焼き尽くすのが最善手」というセッションは巷に多いのですが戦闘が進むほど派手になるシステムは面白そうです。
まぁ、勿論シナリオとGMPLの腕次第で例外は常に多数ですが <念の為、フォロー。


その他、判定回り。
行為判定に特記事項は無し。普通です。

簡易処理に関しては、FEARゲーのターゲットレンジシステムやD&D4eの技能チャレンジ、冒険企画局ならランダム表にあたる物がミッションで「双六」として実装されてます。
双六にする事で「ただサイコロを振ってフレーバーの乗せるだけ」という処理を、危険な近道をするか消耗する回り道をするかの選択を迫るミニゲームになっています。
私はあまり(工夫が無い)技能チャレンジが好きじゃないので、この双六は評価が高いです。

(閑話)
双六システムは私も以前考えてみたけど「双六を作るのが面倒臭い」という問題の解決策が「供給側がたくさんサンプル双六を用意する」以外の解決方法を思いつかなかったのだが、ログホラは今後どうするのだろう?。
ミッション集とか出してくれるのだろうか。 
ユーザーから募集するがスマートだろうが、D&D4eの技能チャレンジ募集は立ち消えしたなぁ。
珠玉混合でまとめるだけでも良いので実現するといいのだけど。

閑話休題

原作再現性。
原作の再現性は中々高いレベルにあります。
12職業は全て使えますし、アニメや小説に出た技もきちんとデータを持った特技として収録されてます。
あのキャラはどんなデータかなと読むのも想像するのもファンには楽しいでしょう。

サブクラスはフレーバーになるのかと思ってましたが、ミッションに対する修正と言う意味を持つ
データになっており、偵察や情報収集などアレコレで役に立つでしょう。
GMとしても融通が利かせやすい分野です。

キャラクタービルドは奥行き有りそう。
特技や種族、マジックアイテムの組み合わせや運用で一段有能なキャラは作れそうです。
たぶんパーティ構成の把握具合がキャラ性能に響く感じ。
ダメなキャラも作れますが、各職最低の能力が保証されてるので最低元の役割は保持できる感じ。


原作ゲーとして僕の考えたログホラをきゃっきゃウフフするだけではなく、新しいシステムのガチゲーとして生死の境で踊るセッションも可能でしょう。
それにほら、この世界のPCは死んでも大神殿で復活する訳で、GMは全滅上等で良いでしょう(マテ

サンプルシナリオ付属。
ルールブックにサンプルシナリオつけるのってページ数や価格的に大変だと思うのですが、頑張りました。
内容的にはスタンダード以外何物でも無いのですが、それが良いでしょう。
さっさとユーザー作のシナリオがweb上に溢れるようになってくれると良いのですが。

後は、遊んでみてからの感想かな。10回くらい遊ばないと何とも。

とりあえずうちの人と相談して特技表でも作るか。