Gameday DMG2感想


先日はD&D4版を世界中で遊ぶGamedayの日でした。


今回はダンジョンマスターズガイド2発売記念と言う事もあって、各卓で実際にシナリオをつくり、それを隣の卓で遊んで貰うという意欲的な試みでした。


我々BIT(初心者迎撃チーム)でも、DM講座と称してシナリオ作成ノウハウの公開と実際にシナリオを作りマスターを体験する企画をしてみた事が有ったのですが、それをより広く洗練した形で再度掲示されたような気分です。
DM人数の拡大とその育成補助の重要性は共通認識っぽいですな。



セッション前は結構落ち着かない気分でした。


普通のセッションなら「これだけ準備しておけばツマラナクて投げ出す事はない」程度の感覚がつかめるのですが、今回は私も経験の無い趣向なのでどうなるかは未知数。
万歳突撃は好みじゃないので色々準備はしつつも後はアドリブ。天命を待つばかり。
・・・中々楽しいスリル感です。



当日は、実に気楽に遊べました(笑)
上記のような落ちつかなさと言うのは、だいたいが気のせいで、実際に卓を囲むと肩の荷はがっくり落ちていきます。少なくとも私は。








こっからネタばれ。








今回は6lvパーティにたいして、用意された8lv、9Lv、12lv(!)などのモンスター群を規定の経験値(1遭遇目がやさしいで、2遭遇目が標準な遭遇でした)分だけ選んで配置します。


参加者の人達と「でかぶつは出したい」「切り裂き魔も」「経験値的に無理っす」「弱体化させて経験値を下げる手はありますよ」などとワイガヤワイガヤ。
結局。こんな感じに。


●メインクエストとサブクエスト。
ドワーフの集落が襲撃を受けて全滅したとの連絡を受けた領主に雇われる。
 敵は邪教の教団らしい。(メインクエスト>バーバリアン用)


ドワーフの集落のある山から流れる川にそって緑が枯れ果てる現象が発生。
 原因追及と改善を要求(エルフソードメイジ用)


・妹を殺した9本指のドゥエルガルを追っている。あの教団の教祖らしい(戦士用)


・あのドワーフの集落と親交のあったアーティフィサーは、あそこにアイウーンの秘宝である「浄化のオーブ」がある事を知っている。確認と回収(アーティフィサー&インヴォーカー用)


○*準備の様子*
「敵のボスに特徴をつけよう」という話からDMGにある特徴チャートでダイスを振ると「声が高い」「9本指」という設定が生え、名前をつけたら女性名だったので、敵のボスは9本指(ナインフィンガー)の女ドゥエルガルになった。


サブクエストがあると当事者性が増して面白くなるので参加者の人達と作成した情報から、適当に用意する。勿論「妹の仇」はジョジョへのオマージュです。


○*セッションの様子*
「おおー、サブクエストまである!」と驚かれたので掴みはOK.
「妹の仇! じゃあ、それで!」とノリノリでした。バッチリだね。


●第1遭遇。
ミノx2、ボーンスカラベ大群x1、ドゥエルガルの衛兵x1。
ギミックは、床に穴をポコポコあけてある所(場所は死体の絵が有る所)
ボーンスカラベ大群は穴掘り速度と振動感知があるので、地底で待機です。
入り口周辺で戦うのは狭くてツマランので穴の傍で引いて待ちの構え。
あ、穴は手がかりが多いので<運動>DC10で上がれる事に。バランス調整です。



○*準備の様子*
「モンスターのコンボを考えて選択すると良いですよ」との話から、ミノの突き飛ばし>転倒>戦術的優位を得る>ボーンスカラベ大群大暴れのコンボ。
理想的には落とし穴に落ちる事を期待。 
ドゥエルガルの衛兵は、後の遭遇に対する伏線だったりする。


○*セッションの様子*
崖の下スタートな事に盛大な文句があがるが、そこでは戦闘が無いと分かって落ち着く。
しかし、穴の向こう2マスの処にミノ助2体が突撃待機をしてるのをみてゲンナリ


「遠隔攻撃で倒そうぜ」との声も上がるが、そしたらつっこまれて狭い処で殴り合いになると気がついたソードメイジが「穴から2マス離れた位置」という位置に移動。
ミノ助のパワーが1マス押しやりなのを計算した動きです。エロいぜ。
仕方がないので、ミノ助2体で押しやって転倒。残念ながら穴には落ちず。


仲間がピンチと駆け付けた冒険者達の真ん中に地面からボーンスカラベ大群がコンニチハ。
ぶーぶー非難があがるので「罵りはシナリオデザイナーへ」と受け流す。


とはいえ、豊富な範囲攻撃で結構あっさりボーンスカラベ大群は死亡。無念。
その後は、ミノ助とパーティの壮絶な「穴への落とし合い」が開始されるが、多勢に無勢でそのまま負ける。 



●第2遭遇。
ドゥエルガルの衛兵x2、ドゥエルガルのクレリック、ファウルスポーンの切り裂き魔、ファウルスポーンのでかぶつ。減速になる罠一つと豪華展開。


ただし、ファウルスポーンのでかぶつは、常時、盲目と幻惑な制限をつけてバランス調整。
もしもの為に、浄化のオーブによる回復ギミック完備という素敵仕様。


配置としては、奥にドゥエルガルのクレリックがぽつんと一人。
しかし、彼女に近づく川は根元がねっとり汚染されて減速、すこし迂回すると安全だが、その水底には切り裂き魔が隠れて狙ってるという2段構えの罠なのだ。
(切り裂き魔は竹筒を加えて隠れているとか何とか)


○*準備の様子*
「でかぶつも切り裂き魔も出したいよね」という話が出たので、どの程度制限をつければバランスOKか、と言う話をする。
3ラウンドもあればパーティは壊滅するので「3ラウンドあれば死亡」は制限として弱い。
盲目は命中値が大きく下がるがダメージそのままという「危険度減少、スリルそのまま」な良い制限なのですが、メンバーが急に「幻惑もつけよう」という優しさを発揮。
自分達があったらやだなーという思いが人を優しくするようですw


○*セッションの様子*
行動順番トップのバーバリアンが、池をひらっと飛び越えてクレリックに接敵。そのままズバッ!とクリティカル。アクションポイントを使って追撃。 いきなり重傷。
でかぶつには、アーティフィサーが「足止め袋! 動けない状態です」で、殴れず。
…おーい、デザイナーさーん。もう詰んでますよー。


クレリックが死にそうなので、誰も追加で川を渡らない為切り裂き魔の出番が無い。
仕方がないんで「もう我慢ならん」とドバッと立ち上がってザクッと刺す。
が、既にコンボが崩れてるので独りでダメージ出してもねぇ。


その後、クレは惨殺。ドゥエルガルの衛兵達は必死に切り裂き魔に挟撃を提供しにいくが、ソードメイジに引っこ抜かれ、ファイターに足止めされ、その間に切り裂き魔死亡。
最後の希望としてでかぶつの攻撃。「よし、クリティカル!」「セカンドチャンスで振り直して」「ショボーン」というお約束展開を経て、でかぶつもボコ殴り。
冒険者側の完封となるのでした。無念。


最後は、枯れて茶色になった木々が浄化のオーブで瑞々しく緑を取り戻していく光景。
めでたし、めでたし。




さすがに2遭遇と言うのは少し寂しいボリュームですが、その分シナリオを作成すると言うのは、別種の面白さが提供できたと思います。私自身楽しく過ごす事ができました。


また、wotcのレジメやら準備が良く出来ていて、あの通りにするだけで一定レベルのシナリオができるのだから大したものだと感心します。
まぁ、4版のシステム自体のギミックのおかげという面もあるのですが。


○○○
それにしても「TRPGを遊ぶ人を増やすには、良質なDMを増やす事だ」というのは誰もが分かっている事ですが、それに対して人も金も掛けてある程度有効な手を次々と出してくるwotcは大したものだとしみじみ感心しますね。


Gamedayだけじゃなく、公認ゲームマスターが登録された公式セッションをするだけで様々なグッズや得点を得られるとか、毎週シナリオ(遭遇)を提供するD&D Encounterとか、ある種、高貴な義務じみた何かを感じますね。


日本でも、その影響をちょっとでも取り込めれば、そして、その手助けに私も少しでも何か出来てたら良いなーと、Gamedayを振り返って思ったり。
…お、ちょっと良い話じゃね?(自画自賛

無料でD&D4版を遊ぶ方法


D&Dに興味はあるんだけど基本ルールが高くてねぇ」と言う人は確かに一定数存在して、そこがD&Dの問題点だなーとは思ってたんですが、wotc社とHJ社がそれに対して無料でツールを提供してくれているので、それを紹介してみましょう。



最初に、HJ社のサイトに行ってクイックスタート・ルールをダウンロードしてこよう。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/article/kosf_guide/qsr_index.html


これには、D&D4版のルールが一通り全部乗っている。
後半には作成済みのキャラクターまで乗っているので、とりあえず遊んでみるには十分だ。
(ちなみに無いのは、キャラクターを0から作成するルールやレベルアップのルール。
特技やパワーのアイテムデータ、シナリオの作成方法やモンスターデータも無い)


気になるのは、乗ってる作成済みのキャラクターがポイント割り振りでは無く能力値割り振りで作成されているので、全体的にバランス型…と言えば聞こえが良いが中途半端な作りになっていて微妙に弱い処。
作成済みのキャラクターが弱かったり、つっこみ待ちなのは定番なのではあるんだけどさ。



次にシナリオを落とそう。
wotc社では「シャドウフェル城の影」の前半部を無料公開してるが、日本ではまだ未公開。
しかし、HJが無料シナリオを公開しているので、それを落としてくるのが良い。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/support/


おススメは「茨々峠に潜む闇』」だ。
初心者DMでも遊びやすいように丁寧に記述してあるしMAPも分かりやすい。
上記のクイックスタート・ルールに付属の作成済みのキャラクターを改定した(明らかに効果の薄い特技などが入れ替えてある)キャラが乗っているのも嬉しい処。 



上記の二つがあればとりあえず無料でD&D4版を遊ぶ事ができる。


しかし、どうせなら遊びやすく便利に遊びたい処。
そんな時は下記のサイトで有志が提供したチャートなどを使うのが良いだろう。
4th Cage
http://dnd.achoo.jp/4thcage/4thcage_top/4C_index.php



その結果、もうちょっと遊びたいと思ったり、あるいはスグに遊び相手が集まらない人は
アチコチで開催しているGamedayや、東京近辺の人はHJコンに参加するのがおススメだ。
電車代や会場費(500円から1000円くらい)が掛かるが、お手軽、格安で遊び事ができる。


ちなみに、次回のGamedayは4月。 私が参加するのはこちら。
場所:秋葉原のR&Rステーション
日程:
4月04日(日) 4月10日(土) 4月15日(木) 4月17日(土) 4月18日(日)
参加費:500円(会場代として)
参加特典:プレイで使用したD&Dミニチュア1体を無償でプレゼント(ホビージャパン社より)
   Role & Roll StationでD&D関連商品に使用できる300円クーポン券(Role & Roll Stationより)
   20面体ダイス 1ヶ(Role & Roll Stationより)

Gamedayのお知らせと雑談少々


MM2発売記念のGamedayの日程が決まりました。


1月のあちこちで開催です。
1/10(日曜),1/1(祝日)1,1/13(平日),1/16(土曜),1/17(日曜),1/21(平日),1/30(土曜)


参加申し込みはこちら。
http://jbbs.livedoor.jp/game/48983/#220091217075309

  • 引用-

D&D Game Day」とは、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が、D&Dのアドベンチャー、マップ、ミニチュアを無料で提供し、全世界で開催されるダンジョンズ&ドラゴンズの日です。
 2010年1月に開催する「D&D Game Day」は、英語圏で第4版『Monster Manual 2』に合わせて開催されたのと同様に、日本語版『モンスター・マニュアルII 第4版』刊行にあわせての開催です。
 5レベル対応のキャラクターとアドベンチャー、ミニチュア、マップがそろっているコンポーネントを無償提供いたします。
 ぜひこの機会にD&Dの魅力的なゲームをお楽しみ下さい!


色々話し合ったんですが、前回みたいに「3日連続開催 90人参加」ってのもお祭り風味で悪く無いのですが、更に参加しやすい方法が無いかと検討した結果、以前ビギナーさん企画でやっていたように「1、2卓で毎週開催」をGamedayでもしてみる事に。
今回は平日卓もあります(さすがに平日全ては無理だけどねw)平日がお休みな人とか結構いるからさ。参加しやすいかな、と。



そーいや、前に友人から質問があったんで答えておきます。


「DM(でみ)にとってGamedayは伊達と酔狂です」


wotc社とHJ社にとっては販売促進の営業の一環で、ユーザーサポートの一種なんでしょうが、DM側は別に一銭のお金を貰ってる訳でも無く(シナリオは貰ってるが)、むしろテストプレイやスケジュールでの打ち合わせの交通費や会場費は持ち出しだし、立体マップ作成の手間隙も馬鹿になりません。
「それでもGamedayをするのは、D&Dの発展のため!」と言えば格好良いのかも知りませんが、実情は楽しいからですね。
普段、遊ばない人と遊ぶのは面倒もありますが楽しいですよ。


一応「D&Dの発展のため!」という気持ちもちょいありますが、これも「その結果、遊び相手が増えたら私が幸せだ」ってのが本音だから自己都合ですね。



やー、それにしてもwotc社とHJ社も良くやるね。
Gamedayのコンポーネントだっってシナリオだってただじゃ無いし、ファンの活動はただでも社内のリソースは結構使ってるしね。広告だって高いし。
正直、D&D4thがそんなに儲かっているのか結構疑問なんだが(大きなお世話)
それとも、販売促進効果が私の予想より大きいのかね?それならそれで、他のシステムでも同じ理屈が成り立ちそうな気がするけど。


たいていの現行のTRPGシステムは雑誌やサプリでシナリオが掲載されてるので、自分たちで残りのコンポーネント用意して広告うてば、Gameday相当の企画は可能だとは思うんだけど(日本全国、世界中は無理だが)、全部ユーザー側がするのはしんどい。
販売促進効果があるならGamedayみたいな企画を他のTRPGメーカーもしてくれないものか。


まよキンとか、Gamedayですると面白いと思うんだよね。
アリアンロッドサーガも、日本中でセッションやって結果をリプレイに反映とか、絶対にFEARだって考えた事があると思うし。
(あ、いや、でも、そうすると参加できない人が疎外感を感じたりするかな?)


やっぱり、この辺は販売促進費に対する企業の考え方かもしれんね。wotc社がアメリカ式物量作戦なだけかも(HJ社は日本の会社だが)



もーれつに話がそれました。


そーいう訳で、D&D遊びましょう。ルールブックも安くないんで、買う前に遊んでみるのも悪くないよ。


あ、そだ。12/26にはHJの公式コンベがあります。
もう募集終わってるかもだけど、当日参加も多少平気だった気がする。気になる人は、こっちもチェックだ。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/event/20091226hj.html

D&D4th:4版の遊び方【少し分かったよ編】


私は今現在、モーレツに面白いD&D4版のキャンペーンに参加してるので、それをベースにして、私がどのように楽しんでいるのか、そして、その遊び方が可能な理由は何かを考え、それを通して「こーやって遊ぶと楽しいよ」という参考になれば、と思っています。
宜しければ、お付き合いください。



現在、私はモーレツに面白いD&D4版のキャンペーンに参加してる。
レギュレーションは、コアルール(基本ルール3冊)のみ。
参加PLは5人で、シナリオはシャドウフェル城の影(修正パッチ適応版)



実は4版発表時に触りだけシャドウフェルをプレロールドPCを使用して5人で遊んだ事があって、その時は「んー、期待を込めてオマケで60点」という大変微妙な結果でした。


アレから様々な経験を積み、検討と議論をした結果として「もう一回シャドウフェルしない?」との呼びかけに答えたのは、以前の苦い出会いを払拭する為、などでは全然なく「シャドウフェルは酷いバランスでシナリオ通りにすると容易に全滅しかける」という風評を聞いたので、挑戦してみよう、という「怖いもの見たさ」でした。
【何が言いたいのかと言うと「最初は否定的だったのよ」って事ね】


しかし、実際に遊んでみると、これがモーレツに面白い。
私は今でも月に4から6セッションくらい遊んでるから年間60セッションくらい遊んでる筈だけど、その中でも確実に3指に入るほど面白い。
いやー、びっくりビックリ。まさか4版がコレほど面白いとはね。



このモーレツに面白いセッションってのは、ロールプレイ領域やシナリオギミック領域では水準点くらいで特にPLも変わった事をしてる訳じゃないんだけど、戦闘中が楽しい。
単純にデータを見た時には明らかに不可能に見える速度や効果が発揮されて、「俺達はもっと先まで行ける!」みたいな興奮がある。
念の為DMにも聞いてみたのだけど、他のPL達が参加したセッションと比較しても、かなり効果的な戦闘展開をしているらしい。


勿論レギュに差がある訳でない(というかコアのみなので私達の方が使用データは少ない)ので、この快進撃を続ける理由はハイリスク・ハイリターンの勝負に勝ち続けているせいなんだけど、この勝負の勝利が「自分達のチームワークとか戦術の結果だ」という確かな手ごたえがあって、それが楽しいセッションを実現している気がする。


○○○
で、この楽しさを検討し、分析した結果として得た答えが「チームとしての一体感」に由来しており、4版の持つ「ルールの見通しの良さがセッションに与える影響」なんじゃねぇかなぁと言う物な訳だ。



4版というのは3.5版に比べて、相当にルールが整理され抽象化されデジタルな書式になったおかげで、凄くあっさりしてる。


パーティメンバーの無限回パワーはよっぽどの事が無い限り、20面体振って15以上でれば当たってるし、5以下なら当たらないだろう。
これは遭遇や一日毎パワーでも大差なく、代わり映えの無い法則だ。
特殊な状態異常を与える技は極端に少なく、ほとんど全部ダメージを与える技だし、強化能力も弱体能力も3.5版の多彩さには比べるべくも無い。
「何レベルになっても変化が無い」なんて言われるのは間違いなく真実だろう。


が、しかし、この選択肢の無さ、変化の少なさがもたらすのは、同時にルールの見通しの良さであるとも言える。


ぶっちゃけ言えば「他のPCが何をしてるのか簡単に理解できる」と言う事だ。
コアのみ1LVで4版のPCを考えると、パーティメンバー全員のパワーを合わせても、3.5eのウィザード1Lvの呪文より数が少ないし、バリエーションも少ない訳だからね。


この他のPCの能力の早くしやすさ、つまりルールの見通しのよさを更に突き詰めると、パーティメンバー全員がパーティ全体の事を考える事が出来るようになる。
これは「自分のPCを理解」し、それにプラスして「他のPCをある程度理解する」というスタンスとは異なる状況を生む。



もっかい書くと。


3.5で戦闘になった時に例えば5lvウィザードが何をするか?というのは、基本的にそのPLが考えて決める事で、他のPLは多少の助言はしても基本的にはお任せだ。


3.5eでは5lvウィザードができる事は膨大だ。
10種類の巻物と2種類のワンドを持ってるかも知れないし、使用できる10個の呪文はそれぞれまったく異なる効果を持っており、タイミングと位置、相手との相性によっても劇的にその効果を変える。
豊富な選択肢は他のPLからの予測を困難にするし、困難であるがゆえに適切な助言をする事も困難になり、結果として「PCの行動はPL本人が決める。他のPLが口出しするのはマナー違反」というう暗黙の了解が発生する。


勿論これは円滑にセッションを運営するテクニックであり、基本的に"善い事"だ。


でも「パーティとしての一体感」というのは「コミュニケーションの結果」であり、それはつまり「PCの行動に他のPLが口を出す」と言う事でもある。
4版の「似たり寄ったりのパワー」「簡潔すぎるルール」というのは、それゆえに「PCの行動に他のPLが口を出す」事を容易にしてる、とも言える。



これらの話は、モンスターデータにも言えて、4版のモンスター達は「撃破役」「兵士役」などの役割分担はされている物の同じ「撃破役」であれば異なるモンスターであっても、使用してくる能力は大差がない(3.5版に比較して、ね)
なので、「あの○○は砲撃役だ!」と言うのが分かれば、どんな種類の攻撃をしてきて、それがどれくらいの危険度で、それに対してどんな対処をすればいいのかが、"全ての"PLに理解して貰う事が出来る。



ぶっちゃけ、4版のPCは3.5版のPCに比べて、遥かに"独りで出来る事"が少なく、必ず”パーティの連携”が必須になるのだけど、それも「パーティとしての一体感」をもたらす仕掛けなのだろう。


と言う訳で、4版は「ルールが整理され抽象化されデジタルな書式にする事」で、(3.5版の比べれば)かなりバリエーションに乏しく、PC個人の作り込みの余地を失った訳だけど、その結果として「パーティ全員が戦況と自分達の能力を把握し、パーティ全体で困難を打破する」という能力を手に入れているのだと思う。


○○○
これを踏まえた上で(私が感じている)面白さを再現するにはどうするか、と言うのが今回の〆です。


・基本的な敵の能力(砲撃役の特性とか)
・パーティメンバーの能力把握。
・パーティの一員としてのパワーの運用。


この辺を初回からとは言わずともキャンペーンの2,3回に行くまでで全員で理解するようにセッションを運用できれば、この興奮が再現できるでしょう。


具体的には「当日までに撃破役作ってきてね。こっちは防御役作ってくるから」では無く、みんなで相談しで「このパーティ構成だと火力が足りないから、ファイターのマークを上手く利用する為に機会攻撃を誘発させよう。その為には各自何ができるかな?」という感じで「自分のPCが何ができるか」に加えて「お互いが他のPCの為に何ができるのか?」を良く相談してから遊ぶ事で、セッションはぐっと面白くなる筈。
(4版は独りコンボから多人数コンボの時代になったと言う事か)


この辺を理解して、3.5版時代の「俺つえー!」から4版時代の「俺達つえー」になれば、また一味違う楽しみを体験できると思うので、ぜひ貴方もお試しください。



ちなみに4版を軽く体験するだけなら、HJコンかGamedayに参加するのがお勧めです。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/event/

D&D4th:盲目状態との付き合い方

撃役が盲目にされた場合の処理について。


盲目状態はいかなる目標にも視線が通らない(全ての目標は完全視認困難を得る)P278


こう有るので視線が通らなければ敵の居場所が分からなそうな気もするが、4thではそうではない。


視認出来ない物を目標にする(君が盲目状態である)P281


によると


・相手が<隠密>を使用して無い。
>君はそのクリーチャーがどのマス目にいるか推測できるかもしれないが、なお相手g見えない事には変わりは無い。
=マス目を決めて完全視認困難(-5ペナ)で攻撃可能。


と言う訳で<隠密>してなければ自分の居るのマスは敵に判明してるのだ。



一方、<隠密>している場合は。


・相手が<隠密>を使用してる。
>マイナーアクションで<知覚>で勝てば場所を判別できる。
>その後、マス目を決めて完全視認困難(-5ペナ)で攻撃可能。


この場合、敵が盲目状態なら<知覚>に-10ペナなので勝てる可能性が高く、マス目を把握されない確率は高い。
ただし、前のラウンドから移動して無いと見当つけられるかも知れないが。



という事は、<隠密>してれば安心・・・という話でも無い。 <隠密>(p182)は。


・移動アクションの終了時に判定可能。
・隠れ身の維持には攻撃を行わない事が必要で、攻撃すると隠れ身は終了する。


で、あるので。


攻撃アクション>移動アクションという行動をしたPCは、隠れ身を試み、その結果を維持することが出来るので、結構安全だが。


移動アクション>攻撃アクションという行動をしたPCは、隠れ身状態を維持できないので、自分が居るマス目は自動的に敵に把握され、-5ペナで攻撃され得る事になる。


ついでに言うと、範囲攻撃は完全視認困難であるペナが無いので、この-5ペナは受けない。


*******
つー、ことは。


遠くに居る範囲攻撃をしてくる砲撃役の敵を首尾よく盲目状態にした場合は、移動アクション>攻撃アクションという行動を取ると、極普通に爆撃される。


その為、攻撃アクション>移動アクションと動いて現在位置を掴ませずに戦うのが、クレバーな動きとなる。


盲目とか透明な状態を巧く生かすようにしよう。



こっから駄目な話。


って事は、ようするに砲撃役なモンスターが盲目にされても、他のモンスターが「俺の前に敵が3人固まってるぞ」とか叫べば、DMは合法的にそこを爆撃出来る訳だ(笑)


これに対抗してPCが「今のは声真似だ。ミノタウルスの俺の前にこそ人間たちが居るぞ」と<はったり>を通すようになったりして、戦場は混乱するんだな。


そこで30マス程上空に航空偵察兵役のフライングモンスターを飛ばしておいて、連絡は一定の符牒で・・・いや、でもそれは<盗賊>などで解析の可能性が・・・(ブツブツ

 GameDay遊んできたよ(DMで)

今日はGameDayのDMをしてきました。


私の担当はビギナーさん卓。4thを2回遊んだ事ある人が一番のベテランで、
後は4th初めての人や、1回程度の人が揃ってます。


「さすがに11レベルは辛いよねぇ」と色々レジメを用意したりチュートリアル戦闘を用意したりと工夫を凝らした結果か、まぁまぁゲームとして遊べるレベルになり(私見ですが)楽しんでいただけたようです。
ふぅ。良かった、良かった。 ほっとしました。


終始時間に追われてロールプレイ部分が簡素だったり、結果が見えた戦闘を切り上げたりしたりと、少し残念な点もあったのですが、ビギナーさん対応としてギリギリ合格点に達したかなぁと思ってます。
参加した皆様、ありがとうございました。


まだ、明日、あさっての開催があるのでネタバレ感想は後日。
そういや、明日は確かまだ若干名参加枠があるとか。 興味のある方は前回に日記を参照下さいませ。

 GameDay関連サイト紹介

GameDayが近づいてきましたが、それに合わせてアチコチで活動が活発化してきました。


GameDayはD&Dを体験してみるのには大変良い機会です。
準備無しに飛び込んでも楽しめますが、色々見ておくと更に楽しめる筈なので今回は関連サイトを紹介しておきますね。


あ、基本的にプレイヤーさん向けの内容です。

まず最初は公式でしょう。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/news/dnd_gameday/2009.html


初めて見る人は良く分からないとは思いますが、どんなプレロールドPC(当日使用する完成済みPC)があるのかを見ておくだけでも、楽しいし役に立ちます。
この時点では、ぼーっと眺めるだけでも十分です。


ついでに、自分がもし使うならコレが良いなーと言うのを決めて、そのPCの説明だけでも読んでおくと、当日「お、中々やるな!」と思われたりします。たぶん。



次に、そのキャラの使い方ですが。
4thCage。
http://dnd.achoo.jp/4thcage/4thvault/4e_an_adv/4e_an_adv.html


ここに「各PC行動指針」と言う形で「こう言う風に使うと良いよ」という提案があります。
ただし、先にプレロールドPCを見ておかないと良く分からないかも知れません。
気に入ったプレロードPCのキャラクターシートを印刷して脇において読むのが理想。
多少D&D4thを遊んでないと分からない用語も多いので、そこは華麗に読み飛ばし推奨で。



次。Gameday専用じゃないけど、4thCageさんの少し前の記事も参考になると思われます。


■タルい戦闘を回避せよ! 090113
http://dnd.achoo.jp/4thcage/4thvault/4e_combat/4e_combat.html
これは、特に3.5版上がりの人が陥りガチな罠についての話。
この内容は今でも有効です。



また、死せる詩人さんの記事も素晴らしい。
http://dead.seesaa.net/article/129029497.html
http://dead.seesaa.net/article/129113570.html


こっちは慣れてる人が読んでも参考になります。
分かってはいるんだけど、ついつい手を抜いてる事ととかあって私も反省したり。


4thあんまり知らないんだよね、という人はD16さんの昔の日記も役立つと思います。
■[D&D]4版の戦闘について
http://d.hatena.ne.jp/D16/20090422/p1


○○○
こうやって並べてみると、結構色々書かれてますね。
こう言う内容を読んで、試行錯誤するのもD&Dの楽しみの一つかも知れません。



と言う訳で、ちょっとでも興味のある人はまずはGameDayに参加してませんか?(宣伝)
Game Day 2009 


日程 10月10〜12日 (内容は一緒です。ご都合の良い日にどうぞ)
場所 秋葉原R&Rステーション ttp://www.arclight.co.jp/r_r_s/index.html
集合 13:00〜


R&Rでの告知
http://www.arclight.co.jp/r_r_s/index.html


申込はこちら
http://jbbs.livedoor.jp/game/48983/