Gameday DMG2感想


先日はD&D4版を世界中で遊ぶGamedayの日でした。


今回はダンジョンマスターズガイド2発売記念と言う事もあって、各卓で実際にシナリオをつくり、それを隣の卓で遊んで貰うという意欲的な試みでした。


我々BIT(初心者迎撃チーム)でも、DM講座と称してシナリオ作成ノウハウの公開と実際にシナリオを作りマスターを体験する企画をしてみた事が有ったのですが、それをより広く洗練した形で再度掲示されたような気分です。
DM人数の拡大とその育成補助の重要性は共通認識っぽいですな。



セッション前は結構落ち着かない気分でした。


普通のセッションなら「これだけ準備しておけばツマラナクて投げ出す事はない」程度の感覚がつかめるのですが、今回は私も経験の無い趣向なのでどうなるかは未知数。
万歳突撃は好みじゃないので色々準備はしつつも後はアドリブ。天命を待つばかり。
・・・中々楽しいスリル感です。



当日は、実に気楽に遊べました(笑)
上記のような落ちつかなさと言うのは、だいたいが気のせいで、実際に卓を囲むと肩の荷はがっくり落ちていきます。少なくとも私は。








こっからネタばれ。








今回は6lvパーティにたいして、用意された8lv、9Lv、12lv(!)などのモンスター群を規定の経験値(1遭遇目がやさしいで、2遭遇目が標準な遭遇でした)分だけ選んで配置します。


参加者の人達と「でかぶつは出したい」「切り裂き魔も」「経験値的に無理っす」「弱体化させて経験値を下げる手はありますよ」などとワイガヤワイガヤ。
結局。こんな感じに。


●メインクエストとサブクエスト。
ドワーフの集落が襲撃を受けて全滅したとの連絡を受けた領主に雇われる。
 敵は邪教の教団らしい。(メインクエスト>バーバリアン用)


ドワーフの集落のある山から流れる川にそって緑が枯れ果てる現象が発生。
 原因追及と改善を要求(エルフソードメイジ用)


・妹を殺した9本指のドゥエルガルを追っている。あの教団の教祖らしい(戦士用)


・あのドワーフの集落と親交のあったアーティフィサーは、あそこにアイウーンの秘宝である「浄化のオーブ」がある事を知っている。確認と回収(アーティフィサー&インヴォーカー用)


○*準備の様子*
「敵のボスに特徴をつけよう」という話からDMGにある特徴チャートでダイスを振ると「声が高い」「9本指」という設定が生え、名前をつけたら女性名だったので、敵のボスは9本指(ナインフィンガー)の女ドゥエルガルになった。


サブクエストがあると当事者性が増して面白くなるので参加者の人達と作成した情報から、適当に用意する。勿論「妹の仇」はジョジョへのオマージュです。


○*セッションの様子*
「おおー、サブクエストまである!」と驚かれたので掴みはOK.
「妹の仇! じゃあ、それで!」とノリノリでした。バッチリだね。


●第1遭遇。
ミノx2、ボーンスカラベ大群x1、ドゥエルガルの衛兵x1。
ギミックは、床に穴をポコポコあけてある所(場所は死体の絵が有る所)
ボーンスカラベ大群は穴掘り速度と振動感知があるので、地底で待機です。
入り口周辺で戦うのは狭くてツマランので穴の傍で引いて待ちの構え。
あ、穴は手がかりが多いので<運動>DC10で上がれる事に。バランス調整です。



○*準備の様子*
「モンスターのコンボを考えて選択すると良いですよ」との話から、ミノの突き飛ばし>転倒>戦術的優位を得る>ボーンスカラベ大群大暴れのコンボ。
理想的には落とし穴に落ちる事を期待。 
ドゥエルガルの衛兵は、後の遭遇に対する伏線だったりする。


○*セッションの様子*
崖の下スタートな事に盛大な文句があがるが、そこでは戦闘が無いと分かって落ち着く。
しかし、穴の向こう2マスの処にミノ助2体が突撃待機をしてるのをみてゲンナリ


「遠隔攻撃で倒そうぜ」との声も上がるが、そしたらつっこまれて狭い処で殴り合いになると気がついたソードメイジが「穴から2マス離れた位置」という位置に移動。
ミノ助のパワーが1マス押しやりなのを計算した動きです。エロいぜ。
仕方がないので、ミノ助2体で押しやって転倒。残念ながら穴には落ちず。


仲間がピンチと駆け付けた冒険者達の真ん中に地面からボーンスカラベ大群がコンニチハ。
ぶーぶー非難があがるので「罵りはシナリオデザイナーへ」と受け流す。


とはいえ、豊富な範囲攻撃で結構あっさりボーンスカラベ大群は死亡。無念。
その後は、ミノ助とパーティの壮絶な「穴への落とし合い」が開始されるが、多勢に無勢でそのまま負ける。 



●第2遭遇。
ドゥエルガルの衛兵x2、ドゥエルガルのクレリック、ファウルスポーンの切り裂き魔、ファウルスポーンのでかぶつ。減速になる罠一つと豪華展開。


ただし、ファウルスポーンのでかぶつは、常時、盲目と幻惑な制限をつけてバランス調整。
もしもの為に、浄化のオーブによる回復ギミック完備という素敵仕様。


配置としては、奥にドゥエルガルのクレリックがぽつんと一人。
しかし、彼女に近づく川は根元がねっとり汚染されて減速、すこし迂回すると安全だが、その水底には切り裂き魔が隠れて狙ってるという2段構えの罠なのだ。
(切り裂き魔は竹筒を加えて隠れているとか何とか)


○*準備の様子*
「でかぶつも切り裂き魔も出したいよね」という話が出たので、どの程度制限をつければバランスOKか、と言う話をする。
3ラウンドもあればパーティは壊滅するので「3ラウンドあれば死亡」は制限として弱い。
盲目は命中値が大きく下がるがダメージそのままという「危険度減少、スリルそのまま」な良い制限なのですが、メンバーが急に「幻惑もつけよう」という優しさを発揮。
自分達があったらやだなーという思いが人を優しくするようですw


○*セッションの様子*
行動順番トップのバーバリアンが、池をひらっと飛び越えてクレリックに接敵。そのままズバッ!とクリティカル。アクションポイントを使って追撃。 いきなり重傷。
でかぶつには、アーティフィサーが「足止め袋! 動けない状態です」で、殴れず。
…おーい、デザイナーさーん。もう詰んでますよー。


クレリックが死にそうなので、誰も追加で川を渡らない為切り裂き魔の出番が無い。
仕方がないんで「もう我慢ならん」とドバッと立ち上がってザクッと刺す。
が、既にコンボが崩れてるので独りでダメージ出してもねぇ。


その後、クレは惨殺。ドゥエルガルの衛兵達は必死に切り裂き魔に挟撃を提供しにいくが、ソードメイジに引っこ抜かれ、ファイターに足止めされ、その間に切り裂き魔死亡。
最後の希望としてでかぶつの攻撃。「よし、クリティカル!」「セカンドチャンスで振り直して」「ショボーン」というお約束展開を経て、でかぶつもボコ殴り。
冒険者側の完封となるのでした。無念。


最後は、枯れて茶色になった木々が浄化のオーブで瑞々しく緑を取り戻していく光景。
めでたし、めでたし。




さすがに2遭遇と言うのは少し寂しいボリュームですが、その分シナリオを作成すると言うのは、別種の面白さが提供できたと思います。私自身楽しく過ごす事ができました。


また、wotcのレジメやら準備が良く出来ていて、あの通りにするだけで一定レベルのシナリオができるのだから大したものだと感心します。
まぁ、4版のシステム自体のギミックのおかげという面もあるのですが。


○○○
それにしても「TRPGを遊ぶ人を増やすには、良質なDMを増やす事だ」というのは誰もが分かっている事ですが、それに対して人も金も掛けてある程度有効な手を次々と出してくるwotcは大したものだとしみじみ感心しますね。


Gamedayだけじゃなく、公認ゲームマスターが登録された公式セッションをするだけで様々なグッズや得点を得られるとか、毎週シナリオ(遭遇)を提供するD&D Encounterとか、ある種、高貴な義務じみた何かを感じますね。


日本でも、その影響をちょっとでも取り込めれば、そして、その手助けに私も少しでも何か出来てたら良いなーと、Gamedayを振り返って思ったり。
…お、ちょっと良い話じゃね?(自画自賛