D&D4th:4版の遊び方【少し分かったよ編】


私は今現在、モーレツに面白いD&D4版のキャンペーンに参加してるので、それをベースにして、私がどのように楽しんでいるのか、そして、その遊び方が可能な理由は何かを考え、それを通して「こーやって遊ぶと楽しいよ」という参考になれば、と思っています。
宜しければ、お付き合いください。



現在、私はモーレツに面白いD&D4版のキャンペーンに参加してる。
レギュレーションは、コアルール(基本ルール3冊)のみ。
参加PLは5人で、シナリオはシャドウフェル城の影(修正パッチ適応版)



実は4版発表時に触りだけシャドウフェルをプレロールドPCを使用して5人で遊んだ事があって、その時は「んー、期待を込めてオマケで60点」という大変微妙な結果でした。


アレから様々な経験を積み、検討と議論をした結果として「もう一回シャドウフェルしない?」との呼びかけに答えたのは、以前の苦い出会いを払拭する為、などでは全然なく「シャドウフェルは酷いバランスでシナリオ通りにすると容易に全滅しかける」という風評を聞いたので、挑戦してみよう、という「怖いもの見たさ」でした。
【何が言いたいのかと言うと「最初は否定的だったのよ」って事ね】


しかし、実際に遊んでみると、これがモーレツに面白い。
私は今でも月に4から6セッションくらい遊んでるから年間60セッションくらい遊んでる筈だけど、その中でも確実に3指に入るほど面白い。
いやー、びっくりビックリ。まさか4版がコレほど面白いとはね。



このモーレツに面白いセッションってのは、ロールプレイ領域やシナリオギミック領域では水準点くらいで特にPLも変わった事をしてる訳じゃないんだけど、戦闘中が楽しい。
単純にデータを見た時には明らかに不可能に見える速度や効果が発揮されて、「俺達はもっと先まで行ける!」みたいな興奮がある。
念の為DMにも聞いてみたのだけど、他のPL達が参加したセッションと比較しても、かなり効果的な戦闘展開をしているらしい。


勿論レギュに差がある訳でない(というかコアのみなので私達の方が使用データは少ない)ので、この快進撃を続ける理由はハイリスク・ハイリターンの勝負に勝ち続けているせいなんだけど、この勝負の勝利が「自分達のチームワークとか戦術の結果だ」という確かな手ごたえがあって、それが楽しいセッションを実現している気がする。


○○○
で、この楽しさを検討し、分析した結果として得た答えが「チームとしての一体感」に由来しており、4版の持つ「ルールの見通しの良さがセッションに与える影響」なんじゃねぇかなぁと言う物な訳だ。



4版というのは3.5版に比べて、相当にルールが整理され抽象化されデジタルな書式になったおかげで、凄くあっさりしてる。


パーティメンバーの無限回パワーはよっぽどの事が無い限り、20面体振って15以上でれば当たってるし、5以下なら当たらないだろう。
これは遭遇や一日毎パワーでも大差なく、代わり映えの無い法則だ。
特殊な状態異常を与える技は極端に少なく、ほとんど全部ダメージを与える技だし、強化能力も弱体能力も3.5版の多彩さには比べるべくも無い。
「何レベルになっても変化が無い」なんて言われるのは間違いなく真実だろう。


が、しかし、この選択肢の無さ、変化の少なさがもたらすのは、同時にルールの見通しの良さであるとも言える。


ぶっちゃけ言えば「他のPCが何をしてるのか簡単に理解できる」と言う事だ。
コアのみ1LVで4版のPCを考えると、パーティメンバー全員のパワーを合わせても、3.5eのウィザード1Lvの呪文より数が少ないし、バリエーションも少ない訳だからね。


この他のPCの能力の早くしやすさ、つまりルールの見通しのよさを更に突き詰めると、パーティメンバー全員がパーティ全体の事を考える事が出来るようになる。
これは「自分のPCを理解」し、それにプラスして「他のPCをある程度理解する」というスタンスとは異なる状況を生む。



もっかい書くと。


3.5で戦闘になった時に例えば5lvウィザードが何をするか?というのは、基本的にそのPLが考えて決める事で、他のPLは多少の助言はしても基本的にはお任せだ。


3.5eでは5lvウィザードができる事は膨大だ。
10種類の巻物と2種類のワンドを持ってるかも知れないし、使用できる10個の呪文はそれぞれまったく異なる効果を持っており、タイミングと位置、相手との相性によっても劇的にその効果を変える。
豊富な選択肢は他のPLからの予測を困難にするし、困難であるがゆえに適切な助言をする事も困難になり、結果として「PCの行動はPL本人が決める。他のPLが口出しするのはマナー違反」というう暗黙の了解が発生する。


勿論これは円滑にセッションを運営するテクニックであり、基本的に"善い事"だ。


でも「パーティとしての一体感」というのは「コミュニケーションの結果」であり、それはつまり「PCの行動に他のPLが口を出す」と言う事でもある。
4版の「似たり寄ったりのパワー」「簡潔すぎるルール」というのは、それゆえに「PCの行動に他のPLが口を出す」事を容易にしてる、とも言える。



これらの話は、モンスターデータにも言えて、4版のモンスター達は「撃破役」「兵士役」などの役割分担はされている物の同じ「撃破役」であれば異なるモンスターであっても、使用してくる能力は大差がない(3.5版に比較して、ね)
なので、「あの○○は砲撃役だ!」と言うのが分かれば、どんな種類の攻撃をしてきて、それがどれくらいの危険度で、それに対してどんな対処をすればいいのかが、"全ての"PLに理解して貰う事が出来る。



ぶっちゃけ、4版のPCは3.5版のPCに比べて、遥かに"独りで出来る事"が少なく、必ず”パーティの連携”が必須になるのだけど、それも「パーティとしての一体感」をもたらす仕掛けなのだろう。


と言う訳で、4版は「ルールが整理され抽象化されデジタルな書式にする事」で、(3.5版の比べれば)かなりバリエーションに乏しく、PC個人の作り込みの余地を失った訳だけど、その結果として「パーティ全員が戦況と自分達の能力を把握し、パーティ全体で困難を打破する」という能力を手に入れているのだと思う。


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これを踏まえた上で(私が感じている)面白さを再現するにはどうするか、と言うのが今回の〆です。


・基本的な敵の能力(砲撃役の特性とか)
・パーティメンバーの能力把握。
・パーティの一員としてのパワーの運用。


この辺を初回からとは言わずともキャンペーンの2,3回に行くまでで全員で理解するようにセッションを運用できれば、この興奮が再現できるでしょう。


具体的には「当日までに撃破役作ってきてね。こっちは防御役作ってくるから」では無く、みんなで相談しで「このパーティ構成だと火力が足りないから、ファイターのマークを上手く利用する為に機会攻撃を誘発させよう。その為には各自何ができるかな?」という感じで「自分のPCが何ができるか」に加えて「お互いが他のPCの為に何ができるのか?」を良く相談してから遊ぶ事で、セッションはぐっと面白くなる筈。
(4版は独りコンボから多人数コンボの時代になったと言う事か)


この辺を理解して、3.5版時代の「俺つえー!」から4版時代の「俺達つえー」になれば、また一味違う楽しみを体験できると思うので、ぜひ貴方もお試しください。



ちなみに4版を軽く体験するだけなら、HJコンかGamedayに参加するのがお勧めです。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/event/