[D&D] DAC2014 Tomb of Horrors(d20モダン) プレイレポ

[DAC] [D&D] DAC2014 Tomb of Horrors(d20モダン) プレイレポート

Tomb of Horrorsと言うのは、D&Dで古くからあるシナリオで、そのギミックの面白さと死亡率の高さで名作の評判を得ているシ

ナリオです。
古い名作のせいか、何度もルールが版上げされる度に、シナリオも再販されています。

今回、D&Dの祭典であるコンベション『DAC』でDMをするに辺り、古い版から新しい版まで様々なルールで遊んでみたら面

白かろう、との企画に参加させて頂きました。
使用するルールは、3.5版、4版、5版、そしてD20モダンです。

…うん、そう。マシンガンでゴブリンと銃撃戦、コンピュータープログラムをめぐるマインドフレイヤーとの陰謀戦なんかを遊ぶ

、現代ファンタジーのルールであるD20モダンです。

今回のプレイレポートは、そんな数多くの英知と死者で磨き上げられた珠玉の名作ダンジョンを、科学の力で粉砕した冒険者達の

活躍を記した物です。

『かがくって、スゲー!(棒読みで)』

○○○


この先、Tomb of Horrorsのネタバレを含みます。










当日のセッションは「君たちはダンジョンの前にいる」からスタートです。

装備の最終チェックをしていたPL達は言いました。
「あ、対毒マスクの購入忘れてた。今、買えますか?」

DMである私は鷹揚に頷きます。
「携帯電話からネット経由でAMAZONからお急ぎ便で購入してください。無人ヘリコプターが上空から投下するでしょう」

私達の卓は笑いに包まれました。つかみはOKです。
これで場を温めると共に「自分達がファンタジー冒険者ではない現代冒険者で、現代的アプローチが望まれている」と理解してく

れるでしょう。

『かがくって、スゲー!(棒読みで)』


PC達は普通にダンジョンの入り口を探し、土砂で埋まっているのをC4で吹っ飛ばそうとして、あまり向いて無い事に納得。
その後、シャベルを通販で購入して穴を掘り始めます。

そこに広がるのは長く広い大広間。先は暗闇に隠れて見えません。左右の壁には意味ありげな彫刻達が。
さぁ、冒険の始まりです。

床に大きな落とし穴、壁にはギミック。PC達は簡単には行かないな、と互いの目を見て苦く笑います。
そして…。

「Xレイ眼球で左右の壁を透視します」
「壁の向こうに通路を発見しました」

隠し扉ですらない、ルール的にどうやって見つけるのか良く分からん通路を、科学の力が判定不要で発見します。
『かがくって、スゲー!(棒読みで)』

躊躇なく壁をC4爆薬で吹っ飛ばしたPC達は隠された通路を見つけて、いきなり脇道に突入します。


その先の小部屋でPC達は、4本腕のガーゴイル(悪魔の石像の様な人怪)に出会います。

PC達の軽機関銃や二丁拳銃が軽快に鋭い弾丸を叩き込み、ガーゴイルのダメージ抵抗に弾き返されます。
有効なダメージが2点や3点なのに、ガーゴイルのHPは約200点。
あー、うん、ダメだね、こりゃ(遠い目)

逃げるしかねーんじゃねーかな、と早々に遠い目をするDMを余所に、おもむろにロケットランチャーを叩き込むPC.
…おおぅ。でもせいぜい2割程度のダメージ何だよね。ダメージ30点ほど。
ガーゴイルの圧倒的な命中力とダメージの反撃がPCに迫ります。 全力攻撃2ラウンド後くらいには一人死ぬでしょう。

そこでPCが催涙ガス弾を投げました。
あー、はいはい、盲目にするのね。それは良いアイディアだ。半分外れれば4ラウンドくらい持つでしょうし。
「頑健セーブに失敗すると10ラウンド盲目および気絶です」
…えっ、気絶?

実は魔法の石像では無く人怪(一応生物)なガーゴイルは2ラウンド後に気絶するのでした。

『かがくって、スゲー!(棒読みで)』


その後、隠し部屋を抜けて広い大広間に出るPC達。壁一面には意味ありげな彫刻の山が。
「Xレイ眼球」
3か所あった隠し通路が全て見抜かれます。 
怪しげな霧の立ち込めたゲートは、他の卓からの情報提供と、ヒント情報を生かして全てスルー。

結構あっさり、キーエリアの一つ、礼拝堂に到着します。

「祭壇を調べます」
「調べる際に触りました? では強力な電撃の罠が発動します。 スババーと60点!」

協力無比だったXレイ眼球はサイバーパーツなので電撃ダメージを50%増しにしてしまうので大ピンチ。
そもそもパーティの回復魔法を総動員しても30点程度しか治らないのです。
手痛い罠に引っ掛かったパーティは、その後礼拝堂の椅子を調べ始め…毒ガスの罠に引っ掛かります。

「しかし、対毒マスクの文章からは、この毒に対して効果があるか分からないな。ダイスで決めましょう」
20面の振り合いで勝負をしますがPC側の勝利で毒ガス無効。惜しかった。

その後、他の卓からの情報提供で隠し扉を開ける為のスリット発見。魔法の指輪を入れると良いらしい。

「(現代で購入すると)めっさ高額な魔法の指輪より、C4で爆破する方が安いよね」
との結論に至ったPC達は山ほどC4爆薬を積んで吹き飛ばすのでした。
魔法の指輪を犠牲に開く隠し扉って、二律背反の面白いギミックだったんだけど、意外な解決方法だねー。

『かがくって、スゲー!(棒読みで)』


落とし穴が続く廊下を抜け(そして、落とし穴の底の隠し通路に気づかず)、先に進むPC達。
先には頑強に補強された扉と、奥から聞こえてくる歌声が。
気合いれた開錠(装置無効化)で40を出すも開かない。(目標値41)。

「んー、やっぱりC4で吹き飛ばそうか?」
くっくっく。変に突破力があるからこそ、余計な扉を開けて罠に嵌まるのだよ。くっくっく。
そうほくそ笑むDMを、他の卓からの情報提供(ツイッター)が粉砕する。

「罠があるっぽいよ。 戻って隠し通路を探せってさ」

落とし穴の底から続く隠し通路はX線でも見つけにくくスルーされてましたが場所まで読まれては仕方がない。
PC達は怪しげな玄室を発見するのでした。


そこに潜むのは迷宮の王デミリッチ、足元にはまばゆく光る魔法のメイス。


「メイス、拾います」
(o´Д`)= アチャー
「メイス、捨てます」
(o´∀`)ノ ラッキー
「ロケットランチャー、撃ちます」
(((ノ゚?゚)ノ ォィ

しかし、ロケットランチャーの一撃では倒れないデミリッチ。
どうやら、このメイスが弱点らしいので、止めはメイスにする事に。
すかさず二丁拳銃が軽快に鋭い弾丸を叩き込み…、ダメージ抵抗「15/魔法および殴打」が抜けずにショボンヌ。
ディスインテグレートに耐えたPC達は、無数にテルミット手榴弾を投げ込むのでした。まるでボンバーマン状態。
ライトメイス+5・ホーリー・ディスラプションの出番なかったよ。

『かがくって、スゲー!(棒読みで)』


デミリッチを倒すと、崩壊し始める天井。
慌てて玄室の外に出るも、そこの天井も崩れ始める。
他の卓からの情報提供によると他にも行ってない道が有る筈なので、何とか戻りたいのだけど「天井が後を追う様に次々崩れ、道

が崩壊してくるよ」とのセリフに泣く泣く外まで脱出する。

「仕方がない。シャベルカーやダンプ持って来て後で掘り返そう」と、街に帰るPC一同。

一週間後、持ってきたシャベルカーを土砂に突き立てた所で意志セーブ。成功。

「シャベルカーが土砂をすり抜けた。幻覚だね。」
「「「「「騙された―!!」」」」」

『まほうって、スゲー!(棒読みで)』


ダンジョン探索再開。
槍が飛び出す素敵廊下を槍だらけになりながら踏破し、偽扉から飛び出した槍にパーティみんなで突き刺されつつもダンジョンの

奥に進むPC達。

何やらデカい扉を挙げると白い煙が流れ込んでくる。
頑健セーブを落とすといきなり昏倒してしまう危険な睡眠ガスだったのですが…。

「このガスも、対毒マスクの文章からは効果があるか分からないな。ダイスで決めましょう」
再び20面の振り合いになって今度は勝ったのですが、誰もセーブに失敗しない。ちぇ。

誰も昏倒しなかったので、追撃しにきたゾウさん型のジャガーノートの追撃をあっさり振り切って狭い道に逃げ込みます。

その後、更に進むとこれまた頑丈な鉄の扉が前を塞ぎます。その厚さなんと1フィート。
扉には剣を差し込むためのスリットが3個用意され、そこに3本の件を差し込むと扉が開くらしいのですが。
当然ながら、現代人が3本も剣を持っている訳もなく。

「また爆破するか」
「そうだね」

すっかり慣れてしまったPC達は周囲の石壁を吹っ飛ばして、扉を倒してしまうのでした。

『かがくって、スゲー!(棒読みで)』


この段階でタイムアップです。
死者数0、トラップで全裸率0、ダンジョン走破速度No2という意外な好成績を残したd20モダンチームでした。



今回のコンセプトとしては、各版毎の特色を出して欲しいと言う物だったので、レギュレーションなどは意図的に3.5版と同じ様な

運用ではクリアは難しい様になっています。

近接戦闘でHPの削りあいなどをしていては、回復リソースのないPC達は用意に全滅していたでしょう。
彼らの回復能力は、初期回復呪文2発(1d8+5)とポーション1本(2d8+3)、現代的応急手当(回復力1d4)。
ちなみにパーティ最大の体力を持つPC一人のHPは100点を超えています。

そこを上手に汲み取って、現代的アプローチでダンジョンを攻略したのは素晴らしいプレイングだったと言えます。
ガイギャックスは、C4爆薬対策を怠ったのが敗因ですね(嘘
異文化コミュニケーションの面白さを堪能したセッションでした。。


若干、PCの能力はあまり関係なくて、アイテムの効果がセッションを方向づけた気がしなくもありませんが、そこは「お金(アイテ

ム)こそパワー」という現代科学を上手に表現できたと思います(ォィ

それでは皆さん、ご一緒に。
『かがくって、スゲー!(棒読みで)』  

お後がよろしいようで。