D&D第4版がよくわかる本

先日「D&D第4版がよくわかる本」が発売されました。
せっかくなので、気楽な立場から適当に解説してみましょうか(ぉ



まず最初にタイトル。 これは大冒険ですね。


はるか昔、D&Dが日本に紹介され始めた頃に「D&Dがよくわかる本」という本がありました。
今でも語り継がれる名著であり、大きく影響を受けたのは私だけでは無いでしょう。
いわば「思い出の彼方にあるセピア色の思い出」に近い何かですね。


そのタイトルをオマージュすると言うのは並大抵のことではありません。
少なくとも「D&Dがよくわかる本」を好きだった古参(一応、老害とは言いたくない)の評価がとっても厳しくなるのは間違い無いと思います。
誰も「思い出の彼方の人」には勝てないと言う奴ですね。


作者の人も事前に知ってたわけじゃないみたいだから出版社の英断なんでしょうね。
http://d.hatena.ne.jp/D16/20090303/p1


んー、わかりやすいタイトルだとは思うけど、どーなるのかな。



いきなり全然内容に関係ない話をしました。失礼。改めて内容の話をしましょう。


大雑把に言えば「D&D第4版がよくわかる本」は、"雑誌の特集のまとめ+リプレイ+シナリオ+FAQ"という物です。


雑誌の特集のまとめと言う意味では、B5判、ソフトカバーにする事がプラスに働いて図や写真がふんだんに使われており、紹介記事としてはかなり分かりやすくなっています。


特にゲームジャパンなどを買ってない人が「D&D4thってどんなの?」と思った時に読むなら悪くはない感じです。
文庫に比べるとだいぶ高いので「4thを遊んでる人が勧誘用に貸し出す」という形が一番スムーズな利用方法だと思います。


個人的には読み物としては「D&Dがよくわかる本」の方が面白かった気がするけど、そこはコンセプトが違うので一概に比較はできないか。(思い出補正もあるし)



リプレイについては、ゲームジャパンで今連載中の物を3話分(かな?)掲載。
リプレイ自体はいずれ文庫になりそうな気はするのだけど、どーせ暫く時間かかるでしょうから乗ってても悪くはないか。


リプレイ自体の面白さと言う意味では「結構面白い」くらいか。まだ序盤だしね。
ルール解説が結構細かくしてるので、ルールの違いを考えるのにも向いてます。



翻訳されたFAQが乗っているのは助かりますね。
これもいずれHJのwebで公開されるような気はするんだけどさ。



シナリオはまだ遊んで無いんで、どーとも言えない。
4thの単発シナリオは、HJで無料公開してるの以外はほぼ無いので(キャンペーンはあるが)、その意味では悪くないアイディアだと思います。



イラストとかは、時間の流れを感じます。
「萌え絵はゆるさん。洋ゲーはもっと格調高くあるべき!」みたいな事を道行く人々に高らかに訴えるような趣味は私は無いので「やっぱりこういう絵の方が手に取りやすいのかな」と思うだけです。
※ でもドラゴンボーンのイラストはかっけーな、と思ったけど。


○○○
総評としては「勧誘用としては上出来。最初に買う本としてはまぁまぁ」って所。


結局1600円払ってこの本を買っても、4thを実際に遊ぶためには基本ルールを買うかシャドウフェルを買うしか無い。
それだったら、アリアンロッドの基本ルールとリプレイ一冊買う本がリーズナブルだ。
勿論、「どーしてもD&D4thが遊びたい」という熱意があるなら、最初にこの本を買うのは有りだけど。


既に「4thを遊ぶと決めてる人」にとっては勧誘に使って良し、リプレイとして読んで良し、シナリオやFAQとして利用して良しの良作と言えるかな。


内容構成などはこちら。
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/news/dnd_howto/index.html