三国志T&T

三国志T&Tを遊んでみた話。
オンとオフで別グループで遊んだのだけど、今回は実際に卓を囲んだ時の話。


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時は189年。洛陽に上洛した董卓は、あまり頭の回転の良くない(比喩的表現)少帝を廃立して献帝を擁立して、自らは相国となって政治、軍事の頂点を極めました。
その後、中国史に名高い悪人らしく董卓は暴虐の限りを尽します。
それに義憤を抱いたり、好機とみた武将達が集まって、反董卓連合を作ります。


PC設定はオンセと同じく反董卓連合に参加する地方武将。
今回のPCはこんな感じ。(まとめもらったのでそれを利用)


春菊、28歳♀ 勇将 兵力2,800、
亡くなった旦那の夢、漢王朝の復興を目指して戦う武将。一騎当千です。


呂斗、23歳♂ 勇将 兵力3,200、
一騎当千武将その2.烏丸の血縁、歌舞伎者。何故か偵察役多し。


張修、41歳♂ 智将 兵力1,800、
代々続く下級官僚の血筋、建前上漢王朝復活希望。微妙に腰が引けてる。


麗華、24歳♀ 軍師 兵力2,600
同じく未亡人。見た目はちゃらいが、心の奥底では漢王朝復興の志が。


李良、26歳♂ 軍師 兵力3,400、
地方の名士、資産をつぎ込んで義勇兵をかき集め挙兵する、今回の総大将。


ざっと見ると、男性陣が「成り行き」や「なんとなく」なのに比べて、女性陣が「漢王朝復興の志」を秘めてるのは何なんだろうか(笑)
男性陣にはロマンが足りないぞ、ロマン!


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今回のPC達はちと気弱だが補給が手堅い袁術に付くことに。
補給優先に考える辺りが手堅いって言うかなんて言うか。


こちらの部隊も時期に分離行動を提案されます。
董卓に反董卓連合が数で劣っている以上、正面衝突は避けざるを得ないので、これはまぁ仕方がない。


森にかかる街道沿いまで進んだ所、前方に敵偵察部隊の影。
間髪いれずに馬を飛ばす呂斗が、その豪腕を一閃。
突き出された槍は兵士4人を串刺しにして、残り2名の衿を貫いて縫い止める。
・・・うん、まぁ、三国志演技っぽくて良いとしよう(^^


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敵偵察兵から、この先に敵軍1万が待ち構えていると聞いて一計を案じる。
敵軍の方が数は少ないが、ここは必勝を期して挟撃をする事に。


・・・いや、まずは偵察でしょ? とGMは思った(笑
敵偵察兵が、作戦前のプリーフィングを受けてる訳でなし、彼らの情報なんて極めて限られてて信憑性も微妙なのに決まってるでしょうに。
でも、面白そうだったので黙ってました(ぉぃ


協議の結果、勇将呂斗、軍師麗華が2人(だけ)で、敵の側面を討つ事に。
や、まぁ、確かに部下を連れてっても目立つは、移動だけで損耗するわで、ロクな事がないから正解だけど、それにしても2人かー。


ともあれ、2人が森を抜けていくと(知性度SRの結果)、前方に人の気配。
(GMにも意外なほど)巧みな隠れ身で忍んでいく勇将呂斗が見たのは、伏兵2000人の姿。


実は、このシーンは結構ピンチで、もしSR失敗していたら2000vs2の素敵な戦闘が開始できるチャンスだったのだ(笑
単純戦力だと210d6+1000vs10d6+100くらい? 
ゾロ目が200回くらい連続して出れば、引き分けくらい持ち込めるかな(笑


自軍総数が3000人ほど数が多いからと言って、真っ直ぐ突っ込んでたら背後を突かれて危なかったと胸をなでおろす呂斗と麗華は次善策を検討する。


そして結論は・・・単騎突撃(笑)


せめて、計略(魔法)でもと思ったらしいが、動くと麗華が敵に気づかれそうなので呂斗が単騎突撃をする事にしたらしい。


実は、この判断は悪くない。
設定的に言えば、この時代の兵は農民が徴集されており軍事訓練を受けた兵士では無い為、士気は低く指揮系統も単純なもの。
その為、奇襲に弱く、指揮官の技量に左右される比重が高い。


ゲーム的に言えば、敵の指揮官が武将だとすると明光鎧(ラメラー・アーマー)を着ていると仮定しても防御力10.勇将の能力で2倍して20.
敵の体力が10前後なら、不意打ちのダメージが30点前後で指揮官を潰せる。
(ここではT&Tのルルブに習い、完全な不意打ちは敵のHITは0として扱います)
並みの武将では届かないけど、個人戦闘能力に特化した呂斗なら・・・。


結果として、事前の想定どおり、森の中から突如躍り出た呂斗は、驚きうろたえる雑魚を右に左になぎ倒しつつ敵将を討ち取る事に成功します。


実際のプレイングとしては、こんな感じだったけど。
「クマがでたぞー!」「いや、敵襲だー!」「赤カブトだー!」
どうやら、デマが飛びまくったらしい(笑


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森の中が急に喧騒の包まれたのを見て、総大将の李良軍師が軍を進ませると、そこには挟撃が失敗したのをみて、迅速に一時撤退しようとしている敵軍が。


「追撃だ!」と盛り上がるPL達に「追撃は1Lvの速度のSRね」と事前に難易度を公開するGMの私。  勿論、これは罠です(ぉぃ


追撃する際の最大の危険は深追いにあり、ゲーム的に言えば速度のSRに成功した人だけが敵と近接状態になる、という事。


今回は1戦闘ターンは相手は逃げるだけなのでHitは来ないけど、次のターンは敵が少なければ反撃してくる。
PC側は5人のPCの内2人を別働隊にしている為、兵数の有利さは大きく無い。
速度の1LvのSRは残り3人の内、1人や2人失敗しても不思議で無い難易度だ。
(1LvのSRは難易度20.速度10のPCなら2d6で10以上だ)


PCが1、2人だけSRに成功した場合、一部の部隊だけが敵に追いついた事になり(敗走ではなく)撤退しているだけの敵軍に有効打は与えられない筈。
そして、次の戦闘ターンには、敵1万対2000人くらいの大反撃を食らって、壊滅する可能性は、決して低くは無い。


さーて、どーなるか。
・・・と、思ったら、誰も速度のSR失敗しないでやんの(笑)
李良軍はそのまま敵軍に痛撃を与える事に成功しました。
まぁ、運を味方につけた時の軍ってのはこんなもんか。


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色々懲りたのか、今度は偵察を出すPC達。すると丘の上に敵部隊が。
数は500と少ないが、どうやら弓兵部隊らしい。うーん、と悩むPC達。


三国志T&Tでは、部隊がダメージを食らうと士気判定が発生する。
失敗すると部隊の統率を失って兵隊達が逃げ出してしまうのだ。
設定的には、勝ってる時には言う事を効く農民達も、一方的に弓で撃たれたら逃げ出すし、仲間が逃げたら自分も逃げる、と言う事を再現している。


そして結論は・・・突撃(笑)


いや、笑ったけど、実はこれは正解で、飛び道具を持ってる相手への対応は、
基本的に「応射」「忍んで懐に入る」「突撃して懐に入る」しかない。(ま、持久戦とかもあるが)


PC達は「いだてんの計」で馬や勇将達の速度を上げるとまっすぐ突撃!
・・・「いだてんの計」って、明らかに怪しい薬を飲ませてるだけだよな(笑
哀れ弓兵部隊は昇天するのでした。


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更に進撃すると、進行方向に村発見。
私の「部隊に村での略奪を許可すると、士気が大幅にアップだよ!」との声にまったく耳を貸さないPL達。
(あ、でも、今の所は、とか言ってたかも(笑))
それ所か、糧食を分け与えて懐柔策に出ます。 当然、判定は成功。
村の人とは仲良くなり、近況などを教えてもらえます。
・・・でも、ま、ただの村なんで、大した情報はないんだけどさ。


村人の話だと、董卓軍がこの3日行った所に集結中らしい。
その話を聞いたPL達は、敵の偵察兵を捕まえて情報を得る事に。
・・・いや、まぁ、有効性は認めるけど、自分達で偵察部隊も出した方が良いよ?
というマスターの心の声は当然届かず、PC達は敵偵察兵から得た「敵は2万」「優秀な軍師がいる」との情報を元に作戦を立案し始めました。


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T&Tはたくさんのダイスを振るし抽象戦闘なので、大雑把なゲームだと誤解されやすいですが、実は大規模戦闘の基礎を明確に表現しています。
敵が3d6の武器、自分が2d6の武器を持っている場合、自分の方がダイス目の合計が大きくなる可能性は(少ないとはいえ)それなりにあります。


ですが、今回のように2万vs1万3000では、振るダイスはこうなります。
2001d6+1000 vs 1301d6+650。
この場合、自分達が敵を上回る可能性は比較にならないほど少なくなります。
たくさんダイスを振れば、ダイスの平均値は期待値に近づく訳ですね。


その為、PL達は実際に軍が激突する前に少しでも有利な状況になるように、様々な手を考えるのです。
T&Tは戦術(戦闘時の動き)より戦略重視(戦闘前の動き)なゲームなのです。

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多少長めの作戦会議の結果(何度もマスターが急かしたけど(笑))、このような作戦が練り上げられました。

・夜間戦闘
 夜間は敵味方共にHIT数が半分になりますが、軍師の魔法計略に猫目の計が あるので、これを使用する事でPC達の視界は確保できて有利。
 ついでに、負けた場合も被害は少なくて済む。


・挟撃
 敵の背後からも攻撃して、更に敵のHITを半分にする。
 部隊をまわすとバレるので、智将・張修が1人で背後に行く事に。
 ・・・って、マジ?(笑) いや、良いけどさ(笑)<友人の書いてくれたイメージ図>
■■■←友軍1万3千人
 ■


 ■
■■■←敵軍2万人


 ・ ←張修1人


さて、どうなる事か。
PLは知りませんでしたが、実は敵は増援が来ており、その数総勢2万5千。
また、軍師の下には武将が10人おり、敵は塹壕掘って陣も作っているので、防御点もそれなりにあったのですが・・・。


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日も落ちて暗闇が落ちた中国大陸の片隅で、天にも届けとばかりに雄たけびが上がり、無数の松明を掲げた1万3千の軍が突撃してくる。
迎え撃つ2万5千の董卓軍もまた大地を揺るがす雄たけびを上げて迎え撃つ。
そして、ぽつんと背後にいる智将・張修(笑)


2万5千人に対して、1人の背面攻撃を挟撃として認めるかは結構微妙だったんですが、張修PCも一騎当200(笑)くらいの実力はある事と、夜間であり敵の数が把握しにくい事から許可しました。


激突する両軍。
圧倒的な数の差を挟撃などにより埋めようとしたPC達の活躍は凄まじく、競り勝てるほどの威力ではあったのですが、敵軍師がこんな事もあろうかと用意させていた塹壕などの防御力も侮りがたく、ダメージを与えるには到りません。


状況的には、夜陰に乗じて前後から挟撃して攻めるPC軍だったが、夜間の為、味方も混乱しているので思うような統率が取れず、逆に夜でも塹壕などは
有効であったため、耐え忍ばれる。
この突撃の為にPC達は無理を重ねて体力を振り絞っている為、長くは持たず、このまま時間が経てば数で勝る董卓軍が盛り返して押しつぶされるのは必至!


ゲーム的にはHIT的にはPC側が上回った物の、敵の武将が10人いたためダメージが10等分され、しかもそのダメージが相手の鎧は突破したものの塹壕5点を突破できずにノーダメージになっています。
また、PC側は時間制限のある強化計略(魔法)を使用しているため、それが過ぎれば押し負けるでしょう。
(何より、その内挟撃しにきてるのが1人だとバレそうな気もしますw)

と、突然、戦いながら周囲を見始めるPC達。
(実はこの時、敵の軍師をもキョロキョロと周囲を見ていたのですが)


春菊:「いた! あれが敵の大将だ! あそこ!」
麗華:「『これでもくらえ』の計!」


次の戦闘ターンで(難易度の高い)2LvSRを通した麗華軍師の計略が炸裂し、見事、敵の大将を打ち倒す事に成功。
(そういや、つい雰囲気に流されたけど同時行動なんだから敵軍師の行動も、敵のHITに組み込むべきだったよなぁ<遅い)
同時にここが勝負とばかりに、他の武将達も視力を振り絞る!


結果、大将が倒れたので敵は士気判定が発生し、夜間の為士気判定の難易度が上昇している事もあって、敵の副官程度では部隊を立て直す事もできずに、
敗走する事になります。
PC達の大勝利と言えるでしょう。


・・・やー、結構なんとかなるもんだねぇ。 全滅コースだったのに(ぉぃ


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その後、PC達の大活躍とは裏腹に(あるいは、そのせいで)反董卓連合は足並みは揃わず、呂布を初めとする有力武将や圧倒的な戦力を持つ董卓軍に負けていくのですが、それはまた別の話。
今回の活躍により、PC達は地方の無名な将から三国全土にその名を知られる綺羅星の1つとなるのでした。


うん、楽しかったな。満足満足。 使わなかったオプションルールもあるので、機会がまた遊んでみよう。
それにしても、今更T&Tの魅力を再確認するって言うのもどうなんだろう(笑)
他にも見直すべきシステムはたくさんあるかも知れないな、と思ったセッションでした。