人妻洗脳セッション【D&D3.5e】


前回の「奥さん洗脳計画」が呼び水になって、今1人の猛者が現れました。
曰く「うちの嫁さんも洗脳して欲しい」と(笑)
勿論、二つ返事で引き受けました。 これで私も人妻洗脳のプロだな(ぉぃ


○○○
今回のメンバーは「TRPG未体験の奥さんとその旦那」「TRPG4回目の奥さんと其の旦那」および「私の友人」
旦那陣と友人についてはTRPG戦闘員とも言うべきベテラン達なのでどーでもいいのですが、奥さん達向けには多少工夫がいるだろう。
んで、用意してみた工夫はこちら。


○(最善手のある)データより(最善手の無い)状況に重点を置いたシナリオ
○ボーナスの種類とか姿勢を理解しやすくする為にまとめたカード
○環境の理解を助けるマップや小物
○賄賂としての手作りレアチーズケーキ(笑)


ま、これらの工夫には色々狙いがあるのだけど、その解説はまた今度しよう。


ちなみに、TRPGのセッションは基本的にネタばらしをするのは推奨できない行動だと思う。
「もし、あーしてたらどーなってたのか?」とPLが想像する権利を侵害してしまうから。
(勿論、同じシナリオを使いまわすというDM側の利便性も失って、使い捨てになるしね)


でも、今回のように初心者の人を相手にした場合は「DMが何を考えていたのか」を示す事で、ゲームを理解する助けになると考えます。
なんで、多少興ざめかも知れませんが手の内を晒します。ご承知おきください。


○○○
今回のセッションはシルヴァリームーンの魔法学院に通う学生から依頼を受けてちょっと離れた森の奥にいるエルフやドルイド達から魔法薬の材料を仕入れてくる話。
野外冒険がメインなんだけど、どーなることか。


まずは、普通に荒野を歩きつつワンダリングで出たダイア・ウルフ(と普通の狼)を殴る。
ここで簡単に敵を発見する為の<視認>技能判定や、戦闘ルールの説明をする事になる。


旦那A 「ここまで出てきて射撃すれば急所攻撃ができて強いよ」
奥さんA「じゃあ、そうします。あたったー!」
・・・いや、良いけどね。
でみ  「では、前に出てきたそのPCを殴ります。 どがっ! 生きてる?」
奥さんA「・・・あと5点」


しょっぱなから打たれ弱い奥さんに前に出る事を勧めるなー!(笑)
最初の一撃で死んだら大笑いする所だったなぁとドキドキしました。
でも、その後は無難に迎撃に成功。無難でつまらんので割愛します(ぉぉ


○○○
野外冒険の楽しみといえば夜営と夜間戦闘だ(偏見  
冒険者が無防備に寝てる時にモンスターに襲わせるのはマスターの特権だよねぇ(職権乱用とも言う。


・・・ローグの<聞き耳>が良すぎてダメでした。見張りや夜営の準備にも付け込む隙が無かったしね。
通りすがりのオークの集団は、そのまま撤収しまいました。 つまんないの。


つまらないんで(嘘)ランダムエンカウンターは終わり。荒野の危険さと雰囲気は伝わったからもう良いよね。


○○○
【設問 その1】
視界も制限される深い森の中。 獣道の脇には殺されたばかりの狼の死体。 その死体には粗末な矢が数本刺さっている。
さて、あなたならどうしますか?


1.警戒しつつみんなで前進:みんな揃ってて心強いですが、重い鎧を着てる奴が煩い。
2.盗賊が1人で先行偵察:気づかれずに偵察できる可能性はあるが、見つかると殺されそう。


これ以外にも、着替えの鎧を用意していれば全員で(比較的)静かに進めたんだけど、そこまでの準備は中々難しいね。
野営用に来て寝れる鎧を用意するのはメジャーだけど、音を立てたくない行軍用にも軽い鎧を用意するのも有効なのだよ。


結局、今回は2で盗賊が先行偵察に。 多少危険はあったけど妥当な選択でしょう。
その偵察のおかげでオーク達に待ち伏せをする時間を与える事を防止できたので、オーク達はそのまま撤収していきました。
オーク達に隙を見せない事で無用な戦いを避ける手段になった訳ですね。


○○○
【設問 その2】
目の前の大木にはこすりつけられた獣の毛と爪で剥がされた後。どうやらこの先は凶暴なアウルベアの縄張りらしい。
アウルベアはかなり強力な敵でマトモに戦ってはかなり被害で出そうだ。
さて、今度はどうしますか?


1.警戒しつつも、獣道をそれずにそのまま縄張りに踏み込む。
2.目前のアウルベアとの不要な交戦を避け、獣道を避けて深い森に分け入る。


どっちもロクな目には会わないのだけど、しいて言えば、獣道も無いような森の奥には獣が行かない理由がある訳で。
ここにはアサシン・ヴァインという食人植物の群生地があったのです(ま、そこの踏み込むかは運次第ですが)


PT(パーティ:冒険者達)は未知の危険に遭遇するよりは、危険でも明確な敵が良いとの事で正面突破する事に。
ほぉ。 そこそこの判断だね。 でもアウルベアを舐めてんじゃねーかねぇ。
PTの選択の結果なんだから、ボコボコにしても私のせいじゃないよねぇ。


・・・奥さんBの魔法使いが唱えたグリース(敵を転ばせる魔法)がすごい威力を発してPTはアウルベアを無傷で撃破(笑)
納得いかねー。グリースは悪い魔法だよ。 D&Dから削除した方が良いね(断言


○○○
【設問 その3】
更に奥に進むとなにやら人の声が。 聞いてみると誰かを探しているらしい。
偵察してあっさりばれた(笑)ローグが素直に事情を説明して相手の状況を尋ねた所、彼らの部族の数名が襲われて行方不明らしい。


でみ 「彼らはワーベアだと名乗った。敵対しているのはワーウルフね。仲間の救助を手伝って欲しいらしい」
旦那B「民族抗争ですか?」
でみ 「そうですね。下手に手を出すと厄介な問題になるかも知れませんね」
でみ 「メタ的にいうならこのイベント以外も先の展開は用意してるので断ってもokです。 どーする?」
全員 「うーん」


色々悩んだ物の、ワーベアが善の種族である事と彼らが困っているのが決め手となって、肩入れをする事に。
上手く行けば目的の魔法薬の材料が手に入るけど大変だぞー。良いけどね。


○○○
【設問 その4】
森の中を走り回る事少々。 出たのは森の中にぽっかりと開いた大き目の広場とその中央に倒れた人影。
急に影に隠れていたらしい男が「俺にはもう我慢できねぇ。助けにいくぜ」と飛び出して言ったかと思うと、矢の集中攻撃で打ち倒される。
どうやら無防備な広場の真ん中にわざと止めを刺さない程度の負傷者を転がしておく事で、仲間を助けに来たワーベアを打ち倒そうとするワーウルフ達の作戦らしい。
さて、どーするね?(この辺がマスターが一番楽しい瞬間)


霧を出す魔法で身を隠して矢を避ける事は可能だけど危険も少なくない。
それより、PTが介入する事をワーウルフも望んでいないだろうから、交渉の余地はあるかも知れない(と、DMが助言。惑わすとも言う
どーするかと悩むPT.


結局は、交渉決裂したら実力行使」という身も蓋も無い指針をだしてとりあえず交渉に。
「自分達は中立を保つから、それに免じて戦いを預からせてくれ」という路線で交渉を開始。
ワータイガーは潰しておきたいが、未知の戦力な冒険者達と敵対するのを嫌がったワーウルフ達はその提案を受け入れる。


その後「来た道じゃなくこっちの道を辿って今すぐ縄張りから出て行け」という相手の申し出に大人しく従うPT。
・・・あー、ずいぶんあっさり従うのね。
ワーウルフ達が悪属性である事もワーベア達と深刻な対立をしている事も、今見たように悪知恵が回る事も理解してるとは思うんだけど、ここで<真意看破>を期待するのは難しいか。
ふむふむ、どーなるかな。


奥さん A「あ、念のため、相手の様子を聞き耳しておきます」
お、なかなか鋭い着眼点。 では少しサービスしましょう。
でみ   「後ろの連中からククッと含み笑いが聞こえたような気がした」


○○○
さすがにTRPG歴の長い旦那達と戦闘員はこれで何かを感じたらしい。
生き残りのワータイガー達に、この先の知識が無い事を確認して警戒態勢に入る。
味方のワータイガー達の傷を治して戦力を充実させ、周囲の気配を探る。


でみ 「うん、後方30mくらい離れてワーウルフ達がついてきてるのを感じるね」
旦那B「その内、襲ってきそうですね」
旦那A「でも、これだとまだ縄張りを出るまで監視してるだけかも知れないし」
友人 「移動力を落として、背後を警戒しつつ進むか」


あー、うん、なるほど。 気持ちはわからなくも無い。
完全包囲&ワーベア達が瀕死な状態を放棄してまで、この道に誘導した理由まで考えるのは難しいか。


でみ 「では、前の2名は反応セーブ判定を。では、不意に足元がずるっと滑って宙を踏んだ。 落とし穴だ。    
どうやら「蜘蛛の網の上に枯葉や土でカムフラージュした物みたいだね」
旦那B&奥さんA 「失敗−! どかーん」
でみ 「落ちなかった人は、警戒もしてたので1ラウンドフリーアクションを許可しましょう。一瞬で出来そうな事ができますよ。 何をしますか?」
友人 「(混乱中) えーと、武器を抜きます」
でみ 「はい、では、上空から巨大蜘蛛と蜘蛛人間が急襲します」
PL 「上かー!」


前衛2名が落とし穴に落ちた状態で左右からの不意打ち。 PT的には大ピンチである。
頼みの綱のワーベア達も背後から襲ってきたワーウルフ達の迎撃に出ていないも同じ。


とはいえ、蜘蛛達のデータ的な強さは低めなので、ゲームバランス的には普通のボスクラスの敵くらいな筈。
一応、落とし穴までは読みきれないだろうなと予想はしてたんだ。(読みきられたら天晴れ、という事で)


○○○
そっから先の最終戦闘は泥仕合


目立ったのはBの奥さんで「レイofエンフィーブルメント」で巨大蜘蛛を事実上一匹無効化した上で、もう一匹を弓で迎撃。
攻撃と言う意味ではPTで一番役立ってた。


次に頑張ったのは友人かな。
ワンドを<早抜き>で次々抜き換えながら頑張るくらいは普通としても、懐から出した煙幕で時間を稼いだのは優秀だった。
たまたま風で煙が飛ぶまで18秒もあったからでもあるけど、運も実力のうちだ。


旦那Aは、肉の壁というか殴られ役として大活躍(笑) 2回くらい死んだと思ったけどしぶといしぶとい。
何だかんだ言っても、敵のスペックが低いので決定力に欠けたというのはあるけど、良く粘った。


奥さんAは、落とし穴に落ちて上ってくるのに大変苦労してた模様(笑)  <登攀>に技能ポイントをつぎ込むように助言しなかった旦那を恨んでください(笑)  最後はスルっと登ってきて強力な『急所攻撃』をあてて美味しい所を持ってってました。


旦那Bには一番割りを食わせてしまったのでちと反省。 同じく落とし穴に落ちて登って来れなかったのです。
「スワッシュバックラーだよね?軽装でSTRに+あるから登ってこれるでしょう」「SW1/Ftr2なんで鎧軽くないです。敏捷であてるのでSTRもそんなに高くない」「ぎゃふん」という会話があったり無かったり。
上の人もロープ投げる時間を捻出するのに手間取ったというのもあるけど、前半の活躍とは裏腹に最後は出番がありませんでした。
申し訳ない事したな、と、今回の最大の反省点となりました。


終戦闘のポイントとしては「敵の罠を見抜けなかった(まぁしょうがない)」「戦力を分断され再集結に時間かかった(<登攀>やロープ投げるタイミングとかね)」「無駄な行動(魔法をフィズるの二回は多すぎる。運もあるが)」という不利な点を、前半の判断でリソースを維持していたという利点で上書きして辛勝、と言った所。
前回の奥様セッションに比べればベテラン陣も随分良い動きをしていましたが、旦那Bさんが噂以上の実力者だった恩恵かなとも思う。


○○○
という様な展開で、楽しいセッションでした。
こうやって文章にすると大変メタでガチに見えなくも無いですが、実際は相当雑談しつつ和気藹々と遊んでいました。
手作りなロールケーキやレアチーズケーキに加えて、休憩と間食ばかりだった気も(^^;
奥さん達にも好評で(セッションがね)、また遊びたいと言ってくれたのが最大の報酬でしょう。


完全な初心者と熟練者を同時に楽しませるセッションというのは、それなりに難しいけど楽しい。
もう一組ご夫妻でセッション参加を打診されているので、次の機会も頑張ろう、と思った一日でした。
さーて、今度はどんな風にしようかね。
あ、引き続き「奥さんの洗脳(TRPG限定)」を引き受けますので、お気軽にお問い合わせ下さい(ぉ〜ぃ