奥さん洗脳計画【D&D3.5e】

先週末に新婚さんの家にD&Dのマスターをしにいった。
旦那は10年以上の腐れ縁になるゲーマーなのでどーでもいいのだが、奥さんはTRPG初心者。
そう、これは旦那による奥さん洗脳計画の一環なのだ。


例えて言うなら、ショッカーの首領(旦那さん)から本郷たけし(奥さん)の改造を依頼された
ショッカーの幹部(でみ)みたいな物である。
あ、もう1人友人が参加してたんで彼がショッカーの戦闘員の役になるな。 イー!(鳴き声)


歴史が繰り返すなら、奥さんは9割方TRPGゲーマーに改造されるがギリギリの段階で1人立ちし、
強大な敵となって我々を撃破しに来るはずなので、今から楽しみだ(ぉぃ)


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とりあえず奥さんにどんなゲームがしたいのか色々尋ねた結果「ダンジョン物」の「死亡率2%以下」が
ご要望らしいので手堅くダンジョン物を行う事にした。
ついでに、旦那と友人を5lv、奥さんを3Lvでスタートする事にして「ベテランが新人を教え導く」という
PC関係を用意し、現実世界とゲーム世界両方からフォローできるように計画してみた。


奥さんはファイターが希望と言う事なので、色々説明してPCを作ってもらったら『死神の鎌を持った農夫』と
いう素敵ファイターになったので、少しドキドキしたのはここだけの秘密である。


○○○
んで、当日。


でみ「では、色々装備を準備してもらって申し訳ないが、装備無しの牢屋スタートです」
全員「えー!!」


ある程度ゲームすれば「牢屋に囚われる」と「人質取られる」くらいは経験するものなのだよ。
(でも、私が微妙な類似性にクラクラしてるのはPLは知らないだろうな)


何だかんだで看守を張り倒し装備を取り戻したPTは、逃げ場を求めて深さも中身を分からない地下迷宮に飛び込む事に。
さて、お手並み拝見と行きましょうか。


旦那 「三叉路か。 どっちにいくか適当に選んで良いよ」
奥さん「じゃあ、まっすぐ」
友人 「明かりはあるな。 じゃあ、まっすぐ行きます」
でみ 「・・・では、君達の足音と明かりに反応して巨大ムカデが襲い掛かってきた」
全員 「わー! いきなりかー!」


唐突に戦闘。 ダイス目が振るわなかったせいもあった脅威度2の敵に5/5/3レベルのPTがかなり苦戦。
しょっぱなからリソースをガリガリ削られるハメに。


でみ 「おい、こら。TRPG歴15年。 ベテランとしての慎重なプレイはどーした!」
旦那&友人 「ごめーん」


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その後、お金も出口も見つからないまま適当にダンジョンを廻り、古代の錬金術師の部屋らしき場所にたどり着く。
その部屋の奥の扉からは微かに空気が流れてきており外に続いているかも知れないが、何やら奇妙なダイヤルがある。


でみ 「壁には女性が描かれた5枚の肖像画があり、赤い服の女性の肖像画の下には『緑の服を着た人は・・・』」
友人 「あ、良い。読まない。 リドルっぽいから行き詰ってから考えるよ」


・・・まぁ、別に良いけどね。 奥さんの好みが分からないからリドル入れただけで他にも脱出方法はあるし。


でみ 「その判断は別に止めないけど、普通、内容くらい確認していかないか?」
旦那 「聞いちゃうと、気になって解きたくなるから止めとく」


あ、さいですか。


○○○
ある部屋の前で聞き耳をすると、微かに何かの話し声が聞こえる。


旦那 「よし、じゃあ突撃するぞ」
奥さん「はい」
友人 「開けたら、突撃するぞ。 それ!」


話の内容も聞かずに突撃をする事に決めたPT. 
扉を開けても相手の場所は通路先の部屋だったので、まだ相手は気づいた様子は無かったのだが。


旦那 「部屋の前まで移動してグリッターダスト!」
それでもやっぱり範囲魔法攻撃スタート。


ゴブ 「貴様ら何者だ! ワシらに何の恨みがあるゴブ!」
友人 「(まったく気にせず) そこに移動して殴れば挟撃できますよ」
奥さん「はい、ここね? じゃ殴ります!」


ゴブ 「いきなり襲ってきて何が望みだごぶ!」
旦那 「(まったく気にせず)ここに移動して、カラースプレー!」
奥さん「もう一回、殴りますね」


問答無用な強盗プレイでゴブリン達を大虐殺


でみ 「で、情報は何にも入らなくていい訳?」
旦那 「忘れた。 あ、大丈夫。魔法で生け捕りした下っ端がいる!」
でみ 「それで、ゴブリン語は誰が話せるのかな?」
友人 「忘れてたー!
でみ 「アホかー! ゴブリン退治に来た訳でもないのに問答無用で襲い掛かった挙句、ゴブリン、オーク、竜(コボルト)語くらい誰かがしゃべれるようにしてないなんて、何年TRPGしてるんだー!(爆笑)」
旦那&友人 「ごめーん」


もー、君達にはほとほと呆れて大笑いしたよ。
全然ベテランが新人を教え導くロールプレイになってねーじゃねーかよw


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頭の悪いプレイングにひとしきり笑ってから迷宮探索を再開。


しばらく行くと大きな扉があり(サービスでこっそり)覗くと、黒いドラゴンと大きな出口が見える。


でみ 「さて、どーする? リドルの部屋があったのも忘れないでね」

一応戦闘でもリドルでも部屋を出れるように仕掛けておいたのだが、戦闘を選び続けたPTのリソースは
結構削れているので戦闘はあまりお徳では無い。


旦那 「エンラージポーションを飲んで足払いをすれば・・・」
友人 「もう回復はワンドしかないんで、インビジヴィリティのポーションを飲んで・・・」
奥さん「ドラゴンと交渉とかしないんですか?」
旦那 「ブラックドラゴンは邪悪だしなー」
友人 「交渉失敗した時を考えると、いきなり襲った方がいいかな、と」


や、別に前を通るだけだし、贈り物でもして話の持って行き様によっては行けるでしょうに。
あ、突撃ですか。 元気だね、君達は。


通常だったら問答無用で皆殺しにするんだけど、まぁ、戦術面で多少手加減するか。
と言う事で、ドラゴンはHP半減した所で撤退しました(これくらいは普通にあり得るしね)


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何とか生きたまま、迷宮を脱出したPT。
でも、牢屋の番人やゴブリン達から話を聞かなかったり、ドラゴンを一方的に襲った挙句逃がしたりで、
情報は手に入らないは、恨みは買うわの素敵な展開に。
しばらくシナリオのネタには困らないなーw


でみ 「でさぁ。 どのへんがベテランプレイだった訳?」
友人 「ほら、交渉とかリドルとかって難しいし。D&Dは殴るのが楽しいんじゃないかと」
でみ 「それは、あんたの好みだろーが!」


お後がよろしいようで(笑)


初心者対応として、牢屋の先住者とのロールプレイや牢屋脱出の作戦立案、迷宮での戦い方と戦闘の避け方、謎解きや敵との交渉に、強敵との戦闘という要素を詰め込んでみたんだけど、なんでこーなるんだろうなw


それでも奥さんが楽しかったと言ってくれたし、私も楽しかったから良いか。楽しい1日でした。
でも、ベテランプレイヤーとして、旦那と友人は反省するように!