議論の回答は相手の好意


ある人のプログを読んで思わず笑ってしまったのですが、TRPG系のプログ関係は「昔はどーだった」「これはこう言うモンだ」「こういう法則がどーした」と難しい話ばかりだそうです。


鋭い指摘に「なるほどねぇ」と笑ってしまった後に自分の事を振り返ってみました。 ・・・全部当てはまるな(汗
元々、チャットで話したり、どっかの掲示板に書き込んだりするには、面倒くさくてややこしい話をする為(と、どーでもいい話をする為)のプログではあるのですが、一応は、読む人にわかりやすくしようと考えてはいたんです。
でも、あまり上手に行ってるとは言い難いなぁ。


○○○
ちっとゲームと違う話をしたので、ついでに更にゲームと違う話をしてみる。


TRPG関係のサイトにある掲示板やチャット、某匿名掲示板をみると至る所で議論が花盛りです。
議論が盛んなのは良い事だ。 それはTRPGに興味を持ってると言う事だし真面目に考えている訳だし。
私も議論は好きです。


でも、議論のいくつかを見ているとちょっと誤解している人があちこちにいる事に気がつく。
余計なお世話だとは思うけど、今日はそんな話。


○○○
Webでの議論は基本的に本名を出さず、ハンドル名や匿名な事が多い。
その為、大体は相手がどこの誰か分からないまま、議論を続ける事になる。


これが意味する事は「自分に向けられた質問に対して、回答する義務を持たず、回答を放棄する事にリスクが無い」と言う事だ。
回答しなくたって、その掲示板に二度と行かないか無視するだけで議論の相手が何を言おうと知った事ではない。



この事から明白に分かる事柄がある。
・Webでの議論における回答とは、相手の好意に過ぎない。


自分に対する質問に回答する事には基本的に義務ではない。
別に利害関係がある訳でないから、何らかの営業方針を確定する為に議論を重ねている訳ではないし、TRPGに限った所でも、誰とも知らない相手と同じセッションを共有する可能性は天文学的に小さいから無視しても害は無い。
この辺は明確な事実だ。


『回答が相手の好意に過ぎない』との自覚があれば、議論でしてはいけない事は分かると思う。
それは相手が答える気にならない質問をする事だ。


どんな理由があったって相手を罵倒するのは得策とはいえない。
罵倒された相手に好意を持つ人は少ないからだ。
一応、罵倒する事で相手を感情的にさせて回答を返す気にさせる、という荒業もないことは無いが
感情的になった相手と議論する事に意味は無いと思うのが、どうだろうか?


相手の以前の書き込みを読まずに質問するのも愚作だ。 
同じ回答を繰り返すのは、大部分の人にとって楽しくない。


相手に勝つために矛盾点をあげつらうのも、短慮と言う物だろう。
負けるのが好きな人は少なくないが、矛盾点を突っ込まれるのが好きな人は希少だ。



さて、ではどんな質問をすればいいのだろうか?
それは議論は何のためにするのかを考えれば分かる。


webでの議論は多くの場合、利益追求には役に立たないし、利害関係も生まない。
相手に自分の意見を納得させた所で、自己満足以外何も得る事は無い。


私が思うに、議論は『自分の意見を変えるため』にする物だ。
相手の意見を理解し、自らの糧とし、自分の考えを発展させる為に行う事だけが意味を持つ。


人は見ず知らずの他人に自分の考えを否定された所で、そうそう受け入れる物ではない。
人が自分の意見を変えるのは、多くの場合、自分が意見を変える気になった時だし、Webでできるのもこの辺が限界だろう。
Webでも長い付き合いだったり、短期間で深い信頼関係を結ぶ事ができればそういう事もありえるだろうが、webでの議論大半は信頼関係に基づかない関係な筈だ。



『自分の意見を変えるため』に質問するのであれば、どんな質問をすれば良いのかは明白だ。
自分なりに相手の意見を理解しようと心がけ内容を整理してまとめ『理解内容が正しいか確認を請う』事と『自分の理解できなかった点への説明を請う』事だ。


こちらから相手の好意を請う以上、質問には十分に配慮する必要がある。
相手が答えやすいように質問を整理し、内容が逸れそうなら修正し、感情的になりそうなら阻止する必要がある。
そうやって、相手の回答を得て理解を深める事ができて初めて議論に価値があるのだと思う。

○○○
議論と言うのは、人の意見を理解する行いであって、口喧嘩なんかじゃないんだよ。
そんな事を少し理解して欲しいな、と思う私は、もう若くないんだなぁと寂しくなりました。ふぅ(ぉ〜ぃ