Aの魔法陣に興味のある人へ。


最近、ちらほらAの魔法陣の話を聞くようになった。


元々、そこそこの知名度があったのか、書籍で販売されるのでその影響かはわからんけど嬉しい事だ。
嬉しいんだけど・・・きちんと理解されてるかどうかは多少不安がある。
なんで、今日はその話。


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『Aマホはユニークだけど特殊じゃない』
Aの魔法陣(略称:Aマホ)は、前にも書いたけど「普通のTRPGシステム」です。
普通ってなにさ、という定義としては「マスターが設定した状況を、マスターの説明とプレイヤーの質問によって共有認識として理解をし、それに基づいて最適と思われる行動をPLが宣言し、その結果をマスターが判定するシステム」とします。


Aマホはデータに依存したシステムではありませんので、逆にデータに左右されるシステムでもあります。
N◎VAデータを使用すればN◎VAが出来るし、D&Dデータを使用すればD&Dが出来ます。
(具体的には、A−DICに登場判定や神業を定義して設定すればそれを元に前提変換が行なわれる)
だから、N◎VAを「ストーリー性重視のシステム」、D&D3eを「ゲーム性重視のシステム」と仮に設定したとすると、Aマホはどちらでもありません。


同様に、Aマホは口プロレスに特化したシステムでも、トンチ合戦専用システムでも、厳密なシミュレーションの為のシステムでもありません。
Aマホ自体は特殊な遊び方をするシステムではありません。*1が開催され、掲示板でのセッションは花盛りとなりました。


芝村さん(デザイナーさん)自身によるオンセも頻繁に行なわれるようになったので、運営の方針も多少変化したのかなと思っています。
これにより、オンセでの遊び方も急速に理解され、あちこちで参加者によるオンセも行なわれるようになりました。
システムの理解としては、このオンセのログを見るのが雰囲気を知る上では最善かと思います。
また、SDを育成する為のSD-DOJOも再開され、SD志願の人々が課題に取り組んでいますが・・・参加者は少な目かな。



『公式掲示板を覗いてみる』
とりあえず公式掲示板を覗いてみたorみるつもりの人向け。


公式掲示板は、現在、掲示板セッションのログでほぼ覆い尽くされています。
また、セッション自体もそれなりに時間が経っている物も多いので、途中から見てもさっぱり分からないでしょう。
これについては「読まない」あるいは「流し読み程度にする」事をお勧めします。


補足:掲示板セッションとは、掲示板で行なうセッションを指します(少なくとも、ここでは)
メリットとして参加しやすいというのはあるのですが、何せ時間がかかり(質疑応答一回に1日かかりますから)、また空気が読みにくい事で長期化する傾向があります。
(勿論「ゆっくり考える事ができる」など他にもメリットもあるのですが)


また、チームを組んでセッションを行なうとテンポは更に低下します。
何度か掲示板やチャットで知り合っただけの他人と、文章で今後の方針を相談するとその相談は当然長期化します。
なまじ時間がある物だから、熟慮を重ねベストを尽そうとしてしまい、更にテンポは低下します。
これに加えて、メンバーの1人のアクセス頻度が低下すれば、ますますテンポは低下し、そして掲示板セッションは元々がとても時間のかかるセッションなので(最低でも数ヶ月)、メンバーの誰か1人が忙しくなる可能性はとても高いです。


なので、私が見た所(大変失礼ですが)「Aマホにちょっと興味がある」という方にお勧めできる掲示板セッションは現状ありません。
(これはAマホが悪いんじゃなくて、掲示板セッションの特性なのでしょうが)
掲示板セッションについては、むしろ「参加する」事をお勧めします。 自分のペースで良いので参加は簡単ですから。 
そこまでするのはちょっと、という方はオンセのログを読んでみましょう。
(準公式チャットと呼ばれてるここがお勧め)


『まず、ルールブックが読みたいんだけど』
とりあえずシステムが知りたい人向け。
基本的には、アルファシステムサーガをお勧めするのが筋なのですが、オンセログに目を通しサプリメント類を読めば理解は可能です。
ここで注意したいのが、システムがバージョンアップしている事で、下記の様になっています。


1.0 アルファシステムサーがで公表。 基本にして原型。とてもシンプル。
2.0 1.0では(比較的)向いてなかった戦闘などが出来るように改定。 Ver.Upツールはweb公開。
2.5 2.0のシステムをシェイプアップして使いやすくしました。 Ver.Upツールはweb公開。
3.0 エンターブレインから発売される書籍版。 芝村さんがSDするオンセや掲示板セッションでは一部のルール導入中。
   Ver.Upツールは現状、非公開。


ちなみに、バージョンが上がるほど複雑になっていく、という訳でもありません。
バージョンが上のほうがルールは整理統合されているので分かりやすいので、基本的には新しい物を使いましょう。


『書いてないルールが、たくさんあるんだよねぇ』
掲示板セッションなどで、公開されているVer.2.5などに書かれていないルールがあちこちで適用されています。
それはVer.3.0のルールだったり、芝村SD独自のルールだったりしますが、それは運用です。
運用というのは、実際にセッションをする際に必要な要素をシステムに追加したり削ったりする事で他のTRPGでも普通に行なっています。
(今回は重量のルール使わないね、とか、今日の天気はダイスで決めるか、とか)


これについては「書かれてない」と不安になる必要は無く、プレイヤーとして参加してるならマスターに問い合わせましょう。
システムを理解する際には、気にしなくて構いません。
Ver.3.0はまだ発売されてないし、個々のセッションで導入されてる追加ルールの事前の理解なんか無理に決まってるので。


『世界設定や背景設定がわかんねー』
Aマホは固有設定を持たないシステムですが、芝村SDはご自分の無名世界観を背景設定として使用する事が多いようです。
これは、詳細に設定された世界設定であり、アーケードゲームコンシューマーゲームにも連動した面白い設定ですが、気にしなくてokです。
どうせ、無名世界観を理解してる人もいないので考えすぎず、必要な設定はデータ集(A-DIC)としてまとまってるのでそれを読みましょう。


また、自分達で遊ぶ場合も無名世界観にこだわる必要は全然無く、むしろお勧めしません。
自分達も良く知らない世界設定で遊ぶのは面倒なので、良く知っている設定で遊ぶのが吉でしょう(無名世界観に詳しいなら別ですが)。


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私はアルファシステムの回し者でもないし信者でもないので、別にAマホをベタ褒めしようとは思っていません。
Aマホはシンプルで分かりやすいシステムではあるけど、類似したシステムが無いので始めての相手に説明するのが難しく、同時に簡単すぎで侮られる事も多いので、周りに勧めるには面倒なシステムです。


また、従来のシステムでのマスタリング技術が逆に固定観念になって首を絞める事も多く、大変苦労しました。いや、してます。


だけど、放置するには魅力的過ぎなんで、もう少し付き合ってみようかなと思ってます。
少なくとも、オンセにこれ以上向いたシステムは知らないしなー。

*1:)) 「ある方向性を持ったシステムの一例」としてAマホを取り上げるのも、微妙に認識がずれているのでは無いでしょうか? 補足:この内容はいくつかのBlogや某匿名掲示板に書かれた内容に対して疑問を投げかけるものですが「それは間違っている!」と告発している訳ありません。 それらの意見に反対意見を上げるには情報が少ないので判断不能です。 ここでは、Aマホの私なりの解釈を読まれた方に理解しやすい形で明示しているだけです。 『では、Aマホは何なのか?』 ガープスやベーシックシステムのような汎用システムである、と言われるとちょっと近いです。 近いですが、Aマホが「共有認識を作る為のギミック」を含んでいる事を考えると、ガープス達を「汎用に使用できる判定システム」と定義するならイコールとは言えないでしょう。 ガープスとベーシックシステムが、汎用的な事柄を其々の判定方法の違いで再現しようとしているなら、Aマホは「数値」の代わりに「単語」をパラメータとして使う事で、汎用的な事柄の再現のみならず、GM−PL間の共通認識を作りやすくしています(有効性はともかく)。 強いて言うなら、Aマホは極めて軽く頑丈なTRPGシステムのひとつで、"使い方によっては"他のシステムでは表現できない事象を再現できるシステムです。 『公式掲示板でのAマホって・・・』 Aマホがどんなシステムかを理解するには、公式掲示板に行くのが最善です。 最善ではあるのですが、色々と弊害もありますので幾らかフォローしてみます。 できるだけ公平に書きますが、一部に独断と偏見が混じりますので予めご了承下さい。 『公式掲示板の過去と現在』 主にAマホ発売当時に公式掲示板を覗いていて、今は見てない人向けての解説。 <過去> 昔はワンシーン、ワンターン、そしてトータルなどのゲームがちょこちょこ行なわれており、それ以外はシステムに対する質疑応答や、SDの練習としての課題への取り組みな どをしていました。 ワンシーン、ワンターンはそれなりに綺麗に動いており、システム理解に役立つと思われますが、システムが古いです。 トータルは当時の参加者(私を含む)がシステムや設計思想を理解していなかった為、ほぼ全てのPTが特攻作戦に偏り、その難易度の高さにグタグタな作戦会議を繰り広げて自然消滅や敗退を繰り返しました。 今振り返ると色々学ぶ所もあり有意義でしたが、システムの理解として今読んでも微妙かな、と思います。 <現在> 鷹月さんというPLさんがエース(極めて優秀なプレイヤーに与えられる称号みたいな物)の候補まで上りつめた事で、掲示板でのセッションが活性化します。 難易度も高低様々なセッションが複数同時に始まり、極めて難易度の高いエースゲーム(通称デスゲーム(みんな死ぬから