DAC 初心者と初心者卓


今度、私はDAC(D&D翻訳20周年記念コンベンション)で初心者卓を受け持つ事になってます。
でも、初心者の定義を明確化してなかったなと気がつきましたので、バカ話をしつつその話をしましょう。


昔から言われていますが、TRPGは免許制でも段位制でもありません。
どこからどこまでが初心者で、どこまで行けば上級者である、という基準が不明確です。
一部で「10フィートの棒と油の使い方を憶えたら初心者じゃない」とかバカ言ってましたが、本気ではありません。


○○○
初心者というのは、私にとってはビギナーの事です。
『始めたばかりで右も左もわからず、誰かが正しい方向を指し示してあげるのが望ましい立場の人』です。


別にこれは恥じる事でもなんでもなく、私だってスクーバダイビングを始めたばかりの初心者ですし、アイスホッケーの
超初心者(てーか、やった事無い)です。
初心者の人は、自分がまだ何も知らないという事を自覚し、同時に新しい事を始めようという意欲さえあれば、他には
何もいらないと思います。


(世の中には自称初心者という「自分が何も知らないという自覚も無く特別扱いを要求する人」もいますが、真っ当な
指導者であれば、特別な対応など必要とせず最も適切な対応を行ないますので指導者を信頼してください。
自分が何も知らないという自覚があれば、指導者を信頼する必要性も理解して頂けると思います)



ちなみに、私の定義によれは中級者とは初心者ではない人です。
これは『つきっきりの指導を必要とせず、自分で対象の成否を判断できる立場の人』です。


正しい事を示してもらう必要があるのが初心者だと書きましたが、この正しいと言うのが曲者です。
正しさなんて星の数ほどあり、TRPGにおいてもその人にとって何が正しいのかは異なるでしょう。
誰かに指導されていれば、いつかきっと「自分の考えと違うな」と思う時が来るのではないでしょうか?
その時に、自分でその指導が正しいか間違っているかを判断できるなら、その人はもう初心者ではないでしょう。


(世の中には明らかに間違っている「俺的理論」を振り回す中級者もいますが、これらの人は「腕が悪いだけ」で初心者では
 ないと思います。 この辺は常に自戒し、自分の中の理論の成否を常に振り返っておきたいものです)


 
ここまで来たんでついでに書くなら上級者とは「その道を貫く覚悟があり、実績も伴う人」だと思っています。
TRPGで言えば、システムへの理解と運用は勿論、土台となるあらゆる知識に対する造詣が深く、TRPGに不可欠な
コミュニケーション能力にも長け、状況判断能力や決断力、行動力にも優れ、人に認められる実績を伴う人です。


ちょっとスーパーマンちっくですが、目指す理想としては最低でもこれくらいを掲げたいものです。


○○○
ここで話は始めに戻り「初心者と中級者、上級者の基準はなにか」という点に戻ります。
上記のように初心者や中級者は当人の心がけで決まると考えていますので、答えは単純。 自分で決めるしかありません。 


結局、心意気、という事でしょうか。
誰かが判断するような物ではなく、自分がどういう心構えでいるかの意思表示なのです。


○○○
私は「初心者です。よろしくお願いします」という発言の意味は。
「まだ何も知らないのであなたを全面的に信頼して指導に従います。よろしくお願いします」という意味だと思います。


また「中級者です。よろしくお願いします」という発言の意味は。
「自分でシステムなどを判断できるので気にしなくて平気ですよ。よろしくお願いします」という意味だと思っています。


これに対して「初心者卓です」というマスターの発言は。
「あなた達の信頼に答える為に、私が最善と思うやり方で全力を尽す事をお約束します」という意味です。


これが「一般卓です」という発言であれば。
「お互いのやり方をすり合わせてやっていきましょう。ある程度は自分達で判断してくださいね」という意味です。


繰り返しになりますが、これらに優劣はありません。
バスケットボールを始める時に、まずボールハンドリングとドリブル、その後に庶民シュート(ぉを習うように、
最初は指導者を信用して指導を受け入れよう、という提案に過ぎません。
指導されるのが嫌なら従う必要はありませんが、適切な指導が受けられるなら受けた方が楽しく上達するでしょう。


○○○
初心者の人と遊ぶのは、中級者を自称する私にとっても大変得る事が多い時間です。
なにより、自分が好きなシステムに興味を持ってくれる人と遊ぶのが楽しくない訳がありません。ぜひご一緒しましょう。