D&D3.5

D&D3.5が売れてます。 良い事だ。嬉しい。

ルールは一新されて遊びやすくなり、新規プレイヤーも増大して盛り上がっています。 うれしいな。

でも、私の中のD&Dは、やはり赤箱と呼ばれた古いD&D,オールドD&Dなのです。



数年前、ソードワールドしかした事無い子達を集めて、赤箱D&Dのマスターをした事がある。


戦士1:「その扉を開けに行きます」
DM  :「そこにはきゃリオンクローラーが。 びっくりしたかチェックして? 驚いた? じゃあ先制攻撃8回。
    当たった分だけST判定。失敗したなら麻痺で行動不能ね」
戦士1:「耐えられないってば!」


DM  :「広い中庭の端にはコボルトが4匹いるね。手にはショートボウを持ってるよ」
戦士2:「初戦闘だな。イニシアティブを振ります。 で、距離を詰める為に全力移動」
僧侶1:「同じく全力移動」
DM  :「じゃあ、こっちは弓を打ちます。 戦士2と僧侶に一発ずつ命中。ダメージが6と5ね」
戦士2:「うわ。残りHP2点。 死ぬって。 逃げよう」
僧侶1:「こっちは1点。 1LVはまだ回復魔法使えないのに」
DM  :「勿論逃げても良いけど、後ろから一発は撃たれるよ? 前に行っても一回は撃たれるけどね」
戦士2:「助けて〜」


DM   :「その部屋の壁際には机や椅子、たんすなどがうず高く積み上げられています」
魔法使い:「じゃあ、そのガラクタを調べてみよう」
DM   :「調べるとガラクタが崩れてきます。ST判定をどうぞ。失敗すると1d4ダメージ」
魔法使い:「失敗。 って、僕Hp2点しかないんだけど?」
DM   :「ダメージは4点。 死亡だね」


DM  :「その扉の向こうからは何かが動く音が聞こえている」
戦士1:「隊列を整えよう。 前衛が前で後衛が後ろだ」
盗賊 :「扉に罠が無いかを調べておきます」
DM  :「君達が時間をかけて罠を確認したりしていると、暖炉から巨大蝙蝠が現れた。
 後ろにいるのはエルフかな」
エルフ:「コロコロ。あ、ビックリしてる」
DM  :「じゃこっちから殴ります。ガツンと当たって3点ダメージ」
エルフ:「死にました。まだ何もしてない〜」


DM  :「その小箱からは小さな蛇が一匹出てくる」
戦士2:「蛇を殴ります。 えい! ・・・外れ」
DM  :「こっちから。命中。 1ダメージ+毒。 ST判定ね」
戦士2:「えーっと、失敗」
DM  :「じゃあ君は毒で死亡だ」
戦士2:「え?」


DM  :「その扉の向こうからも何かが動く音が聞こえている」
戦士1:「隊列を整えよう。最前列に前衛、最後尾にも戦士を置いて後衛は真ん中だ」
戦士2:「後ろを警戒しておきます」
DM  :「では、君達が突入しようとした瞬間、ボタっと上から巨大クモが落ちてきた」
僧侶 :「あぁ、こりゃダメだね。 パタッ」
魔法使い:「なるほど、上にも注意を払わなきゃいけないんだ。 バタッ」


DM  :「扉を開けると、中には完全に武装したゴブリンが5匹君達を待ち構えている」
戦士1:「撤収! 逃げるぞ〜!」
僧侶 :「Yes Sir」
DM  :「素早い判断だったので判定なしで前に部屋に戻れた。だが次の部屋への扉は風で閉まったみたいだね」
盗賊 :「あぁ、クサビって扉を閉じないようにするんだ。 今回は扉を開けてるうちに追いつかれるからもう遅いけどね」


DM  :「戦士の前にゴブリンが飛び出してきた」
エルフ:「そこで、撒いていた油に点火」
DM  :「ゴブリンは火に包まれて1D6ダメージ。  うん、死亡したね」



PCがすべからくヒーロー予備軍であるソードワールドなどと違い、ただの一般人に近いD&D冒険者はパタパタと死んでいく。
プレイヤーもマスターも大笑いしながらキャラクターを作り直し(名前の後ろに2とかつけて)ダンジョンに突入し、
文字通り実体験を通してダンジョンの心得と戦いの引き際を学んでいった。


マスターをしてて、プレイヤーがみるみる上達して行くのを見るのは楽しいもんだ。
デッドリーなゲームバランスって、最近も当時も既に少数派だったから新鮮だったらしくプレイヤーにも公表でした。
(キャラクターが死んだの初めてだ、って人が多かったなぁ)


最近のTRPGのPC達はどれも死に難くなった。それを一元的に否定する気は毛頭無い。
プレイヤーがPCに愛着を持って死なせたくない、と思うからPCの死に意味が生まれる。
だから、バタバタ死んでいくTRPGが正しいとは言わないけど、あんまり過保護にされてて安全な冒険はなんだかなぁと思う。
たまには、もっと危険な冒険も楽しいもんだよ