高Lvクレリックのプレイング【D&D3.0e用】

【はじめに】
D&Dが三版になり再びプレイ人口が増えてきたのはとても嬉しい事です。
少し以前からD&Dを行なっていた人達も、きっと新規参加の方を歓迎しています。


新規参加の方が最初に躓くようなキャラクターの作り方やプレイングについてはあちこちに
質の良い文章や資料が公開されていますので、ぜひそれを参考にして下さい。


ですが、続けて遊んでいれば、キャラクター(以下PC)のレベルも上がり、プレイングに
ついても様々な疑問が沸くと思います。
今回の記事は、そんな人達に少しでもお役に立てればという願いを込めて書かれています。


【主旨】
・ある環境における高Lvクレリック(10〜)のプレイングを公開する事で、新規参加する
プレイヤー達の参考となる事を目指す。
※注意事項:当然ならがこれは唯一の正解でも何でもなく、ある一例に過ぎません。


【冒険の事前準備】
冒険者は常に備えを怠るべきではありません。 それがパーティの生命線であるクレリックであれば尚更です。
あなた達が準備不足な点をDMが操るモンスターが突いてきてもプレイヤーは怒るべきではありません。
それよりもまず自らの準備不足を恥じましょう。 高LvなPCで遊ぶと言うのは、そう言う事です。<プレイング>
クレリックが備える必要がある事態は様々な点があります。 抜け目無く準備を整えて下さい。
善や中立のクレリックは任意発動の回復呪文のおかげで、呪文の選択にかなりの猶予がありますが、それでも
あらゆる事態に備えるには到底足りません。
その際に大きな助けになるのが<巻物作成>です。使用頻度が低く、且つ重要な魔法は巻物にして持ち歩きましょう。


・透明対策
インビジビリティは脅威です。インプルーヴド・インヴィジビリティを考えれば対策は必須です。
秘術呪文使いだけに任せず、インビジブル・パージやディスペルマジックなども用意しておきましょう。
ディスペルマジックの巻物も重要です。


・飛行対策
上空からの絨毯爆撃もまた脅威です。 秘術呪文使いと分担し対策を講じて起きましょう。
目安としては巻物の使用なども含めてPT全員が一回の戦闘に耐えられる程度の飛行能力です。
エアウォークなどの呪文が役に立たない事もありません。


・水中対策
頻繁に起こる事でもありませんが、ウォーターウォーキング、ウォーターブリージングの呪文の用意も必須です。
日常的には使いませんので巻物などで用意します。 PT人数より少し大目が良いでしょう。


・魔法対策
ディスペルマジック、ブレイクエンチャント、グレーターディスペリングを準備するのは当然です。
巻物の用意もしましょう。リムーブカースは微妙な所です。


・生命力吸収対策
恐らく事前に予測がつきますので、その場合レストレーションの準備は必要ですが触媒には注意しましょう。
また、予測不能の場合や敵が一体でない場合も多いのでレストレーションの巻物を2,3本用意しておくのも重要です。


・状態異常対策
毒対策 :ニュートラライズ・ポイズンは巻物で十分です。致死性の毒なら必要なのはレイズデッドですし。
死対策 :自分が死んだ時用にレイズデットの巻物を用意しておくのは賢明です。
麻痺対策:麻痺は大変危険な状態です。また自分が麻痺した場合には呪文が使えませんので巻物での用意が必要です。
     遭遇する可能性も高いので呪文も用意すると良いでしょう。
病気対策:巻物で十分です。
盲目対策:巻物で十分です。
能力値低下:意外に遭遇頻度が高く、また能力値が0になると死亡する為危険な状態です。
      レッサーレストレーションを巻物に加えて呪文でも用意しましょう。
      レストレーションでも構いませんが、多少高いです。


・撤退対策
ブレインシフトが便利ですが焦点具が用意できるかが分かれ目。イセリアルネスは優れた逃走手段ですが人数制限があります。
秘術呪文使いと打ち合わせてパーティ全員をつれて逃走出来る方法を検討しておきましょう。 巻物でも十分です。
理想を言えば、自分が即死しても撤退できるように撤退手段を2段構えにしたい所ですが・・・。


・占術対策
スクライングやデヴィネーションが手詰まりな自体を打開する事はあります。余裕があれば準備しておきましょう。


・おまけ
キュアライトウンズのワンドを購入しておくのも良い手段です。1本あれば十分ですが。


【冒険の行動】
高Lvになってもクレリックがパーティの生命線である事実は変わりません。
誰も死なせずに戦闘を終え、戦闘後に回復する為に行動しましょう。<プレイング>
・防御力
前衛(戦士など)に次ぐACを維持します。片手を空ける必要が多いはずですので利き手に持つ武器の柄には
紐を付けておき手首にぶら下げられるようにしておきましょう。逆手には盾です。


・朝の強化魔法
ブルズストレングス、グレーター・マジック・ウェポン、マジック・ヴェストメントなどが一般的です。


・戦闘時の強化魔法
ブレスやプレイヤーが有効です。<イニシアティブ強化>のフィートを用意して最初にかけるのが望ましいです。
また、ブレスやプレイヤーの効果は良く忘れられますので、誰かがダイスを振る際に耳元で囁きましょう。


・戦闘時の魔法詠唱
回復系は敵の機会範囲外で唱え5fの踏み込みで使用するのが基本動作です。
必要に迫られて防御的発動をする場合もあるので<戦闘発動>フィートと精神集中スキルは準備しておきましょう。



【その他の行動】
・撤退判断
理想は敵に遭遇した瞬間に判断します。
判断基準は、どの程度の損失で勝てるか、損失をどこまで許容するかです。
クレリックの判断は敵の特殊能力と、手持ちの対策手段を基準とするのが良いでしょう。


・戦力分断
敵の部隊を2分すると戦力はおよそ25%に低下します。ウォールオブストーンなどで分断するのは良い手です。


・クリエイト・ウォーター & クリエイト・フード・アンド・ウォーター
食事や水は重要です。 パーティメンバー以外に分け与えたりも出来るので便利です。


【冒険の心構え】
高Lvクレリックは他のクラスに比べて明らかに異なります。
彼らは特定の神に仕える組織の一員であり、おそらく高Lvでは使われる側で無く管理側の一員です。
自分の背中には、組織の威信が掛かっている事を自覚しましょう。<プレイング>
神の教義を体現し、寄付と信仰を集めましょう。(順番逆だって? 本音と建前だね)
宗教組織は完全な利潤団体ではありませんが、お金が無ければ救えない人々もいますし組織も維持できません。
自分の信仰や性格は勿論ですが、生活の為にもあなたは教義を守り信者を増やす必要があります。


当然、組織からの命令や依頼であれば基本的には拒む理由は持ちません。
その命令を断りたいと考えた時は、胸に手を当て自身の信仰を傷つけてでも断るべきか再考して下さい。
(脳裏にあなたが組織を通じてこれまでに救ってきた人々と、これから救える人々を浮かべると尚良いです)



【最後に】
今回上げた呪文以外にも有用な魔法はたくさんあります。 極論を言えば使い道の無い魔法などありません。
また一口に高Lvクレリックのプレイングといっても、最善手はあなたの環境によって大きく変化します。
ですが、今回の内容だけ抑えておけばクレリックとして基本は抑えていると言えるでしょう。
あとは何より大切な自分にあったプレイングをあなた自身で見つけて下さい。


あなたの冒険にスリルと神の加護がありますように。


【つぶやき】
もう3.5版に移行している人も多いだろうけど、少しは役に立つといいな。*1

*1:本当は3.5版で書きたいが、3.5版のPCはまだLv高くないので記事が書けないのだ。