ビギナーさんと遊ぶ企画(8月分)


TRPGのBlogを持つ理由っていうのは、勿論「書くのが楽しい」からなんだけど、同時に「TRPGという面白さを知らしめたい」という欲求の表れでもある。


この欲求は、他にもオンリーコンのスタッフをやったり、企画物を開催したりする形で実行してるのだけど、その活動の一つに「毎週、ビギナーさん向けセッションをする」と言う物がある。


http://dnd.achoo.jp/beginner/08DAC_bit.html


勿論、一人じゃ出来ないんでビギナーさん対応能力が確かなベテランDMの人達を集めて集団でしているのだ。


こうやって遊んでいると(当然だけど、私にとっても遊びだ)、色々分かる事もある。
今月のセッションで思ったのは「楽しいとは何か」かな。


○○○○
と言う訳で8月分のビギナーさんとのセッション。


Aさん 赤箱を10回ほど。 D&D3.5eは1回。 
Bさん 5月から始めてD&D3.5eは4回。 
Cさん D&D3.5eは2回ほど。他のTRPG経験無し。 
Dさん 赤箱を10回ほど。ゲームブックも昔遊んでた。
Eさん 赤箱やメタヘなどを昔遊んだ。D&D3.5eは2回。


○○○
今回は一番遊んでる人がD&D3.5eを4回と、これもまたビギナーさん向けセッションというにふさわしいメンバーで、私も遊ぶ人が増えて機会が出来て嬉しい処。

早速参加者ののゲーム経験や、遊んでみたい内容などを聞きつつ早速セッションを開始します。


プレロールドPCを選んでもらってから、PCに肉づけをしていくにつれ、PC達がだんだんと生き生きし始めるのを見るのは、いつになっても良いものです。



●ダルク:エルフソーサラー
エルフの村で魔術を学ぶうちに、もっと腕を上げたくなったので村を飛び出して修行の旅に。


うん、実に真っ当な理由ですね。良きかな、良きかな。


●サラエル:エルフアーチャー
元々多少手癖が悪かったのだが、人間社会に出て「お金」の魅力にメロメロになる。


…だいぶ、ダメっぽいエルフが出てきました(笑)


●ワールド:ドワーフ斧戦士
自分の部族が一族総出で作成していた芸術作品を酔っ払って壊してしまって逃げてきた。


…彼はTRPG3回目らしい。なかなか将来楽しみなぶっ飛び方だ(笑)


バルサス:人間スパイクドチェイン使い
貧しい家に生まれて口減らしに軍隊に入れられそうになったので、富と名誉を求めて冒険者へ。


地に足のついた設定です。冒険のフックとして結構使いやすいのは嬉しい処。


●ヘルロンド:人間クレリック
神殿勤めで、小村からの嘆願書を見て仕事として派遣された。


物凄く生生しくで、これはこれでロマンが無いようなあるような(笑)


こんなPC達がパーティ組んで冒険に行くことになりました。
使用したシナリオは「鬼哭き穴に潜む罠」なので、ここからネタバレを含みます。
出来る限り、ネタバレは避けますが。














○○○


序盤の戦闘に関してはTRPG自体が初めてという人がいなかったので、それほど困る事はなかった様子。
一回二回遊べばルール自体は大まかに把握するのは難しくないという事でしょうね。


まぁ、少し敵を甘く見たクレリックが集中攻撃を受けて瀕死になって、大慌てもしましたが(笑)



村に来た冒険者たちは、早速依頼主に会って「村を脅かすゴブリン達の退治」という依頼を受けるのですが、ここで、物凄く楽しそうに値上げ交渉を始めます(笑)

見も蓋もなく考えるなら、一回だけのセッションで値上げ交渉をした処で、それほど有利になる訳では無いのですが、値上げして貰う為の方法を考える事自体が楽しかったり、自分達を正しく評価してもらう事が嬉しかったりするので、PL達は値上げ交渉を楽しむのでしょう。


色々ゴネた結果、PC達は成功報酬で一括という条件付きで20%ほどの値上げ交渉に成功します。
(ルール的には、適切な<交渉>の結果なのです)
その結果に喜び勇んで契約書を2枚書かせるドワーフ戦士。 ほんとに楽しそうだな(笑)



その後PC達は、情報収集活動に励む事を決め、手分けして心当たりをあたります。
戦士達は前の戦闘でゲットした捕虜の尋問。クレリックソーサラーは村の教会に顔出しに。


村はずれの牢屋に放り込まれた捕虜に面会した戦士達は張り切って、尋問を開始しようとしたのですが戦いの時に強く殴り過ぎてHPが大きく削れている捕虜は後6時間ほどしないと目が醒めません(笑)
クレリックが一緒なら魔法で傷を治して起こす事も出来たのですが後の祭り。
戦士達は慌ててクレリック達を追いかけて教会に走って行きました。


…何をしてるのだ、君達は(笑)


その後、胡散臭い占い師にお金を巻き上げられたり、パチモンのお守りを売りつけられたり、本物のマジックアイテムを売ってくれると言われたのに、全額後払いにしてしまったのでお金がなくてアタフタしたりしてました(笑)


解放する事を条件に、捕虜から敵の本拠地や大まかな戦力を聞き出す事にPC達は、奇襲作戦を決行する事に決めて、翌朝さっそく襲撃する事を決定します。
敵が色々と背景話もしたのですが、そこは華麗にスルー(笑)



どうやらこのパーティは戦闘は得意らしく、サラッと見張りを処分して敵のアジトに突入します。

すると、どうやら中には非戦闘員らしい女子供のゴブリン達が。
「うわー、戦いにくいなぁ」と悲鳴を上げるPC達。なにやら罪悪感を刺激されたらしい。


「子供達は逃げろ」といいつつ、お父さんゴブリン、お母さんゴブリンがスピアを構えます。
実は、捕虜からゴブリン側の事情も話していたので、戦闘を避ける事じたいはそれほど難しくない事ではあったので、DMとしては「PC達はゴブリンを殺したくないようだから、ここで<交渉>になるのかな」と思っていたのですが。


「・・・武器を向けられたらしょうがない」「あぁ、殺そう」と、あっさり殲滅戦に移行してしまいました(笑)


ひ、人の行動って中々完全には予想できないもんだなぁ。



その後、PC達は出てくるゴブリンウィザードや護衛、そして族長を殴り倒し、彼らの背後にいる黒いドラゴンを討伐する事を決意します。


結構、情報をスルーしてきたので追加のアイテムやヒントを逃しているパーティなので、ガチンコ戦闘。
これは、1人くらいは死ぬかもねぇ(楽しそうなDM)


PL達も敵の強さを予想して、色々と防御呪文を事前にかけたり、どの順番で入るかと相談を繰り返します。
こうやって意見を出し合って、色々と考えること自体が、実際の戦闘と同じかそれ以上に楽しみを提供してくれるよね。


実際のドラゴン戦闘は、天井から<かすめ飛び攻撃>で襲ってくるドラゴンに苦戦はした物の、天井が低かったお陰もあって端に追い込んだ結果、飛び道具、マジックミサイルのお陰もあってなんとか撃破。
瀕死な子はいたんだけど、結局誰も倒れませんでした。むぅ。



見事ドラゴンを倒し、村の危険を救ったPC達は村の英雄になる・・・のが、定番の展開な筈だったのですが「契約時に契約書を2枚書いたから、契約はそれぞれ別契約とし、契約料金を2倍払ってもらおう」とか言い出したので、大混乱(笑)


結局、実際にお金は無いので、村外れに家を貰って支払い代わりにする事になったのですが、これまでの行いのせいもあって「弱みに付け込み、金に汚いならず者」のように見られて行きます(笑)


んー、村の英雄がどうしてこうなるんだろうなぁ(笑)
○○○


今回の参加者の動きや表情を見てておもうのは、やっぱり「自分自身が其処にいるような没入感」というのが「楽しさの要因」だなぁという事。


だからこそ、単発セッションであまり意味が無い報酬の吊り上げとかに熱中するんだろうと思う。
私もこの感性を忘れて無いつもりだけど、改めて考え直して見たり。


とまれ、楽しいセッションでした。 また今度ご一緒しましょう。