T&T完全版 SRをする時の目安について


T&Tのルールブックは不親切だなーと思う。


いや、文章構成とか図表の見た目は悪くないんだけど、セービングロール(SR)の
判断方法について、もうちょっとページを割くべきだと思うのだ。


T&Tはプレイヤーの思いついたアイディアのかなりの割合をSRで処理する事で成立している。


ハイパーT&Tでは敵の攻撃を避けて攻撃する「かいくぐり攻撃」なんかはルールで定義されて
いたけれども、T&TではGMがSRで処理する事になっている。
それはT&T完全版でも同じことだ。


それが悪いと言ってる訳では無い。
ルールブックにも書いてあるんだけど、細かい事はGM任せにする事で、ルールが膨大になる事を防止し、シンプルで遊びやすくするのがT&Tのコンセプトなのだろう。


それは良い。
良いんだけど、だったらSRをする時の目安について、もっとフォローするべきでは無かろうか。



T&T完全版で、格闘家を名乗るPC(タレントで格闘家を持ってるetc)の処理方法について
ルールで例示がある。


同レベルのオークの攻撃をすり抜け飛び越えて背後にまわり、首筋を撃って一撃で勝利する判定だ。
この時のSRは「器用度と幸運度でそれぞれ3LvのSR」だった。


この数字について、もうちょっと説明してみよう。


3LVのSRの目標値は30になる。 1LVのPCの能力値は最大でも18(ぞろ目は考慮しない)。
タレントを使用すると達成値に+3されるので、判定値は21だ。


30-21=9
2d6を振って9以上を二回だせねばならない。


2d6で9以上が出る可能性は約28%。 2回連続成功だと8%だ。


種族が人間の場合、失敗したSRを振り直す事が出来るのを考慮すると。
2d6を2回振って9以上が出る可能性は約48%。
それが2回連続する可能性は約23%だ。


同格の敵に無傷&一撃で勝負を決めようってのは、ずいぶんと調子の良い話だ。
これが簡単に出来るなら、その後のPCは皆「かいくぐり攻撃」をするだろう。
それを考慮すると、約1/4の成功率というのは、まぁまぁな数字だろう。


この時、「かいくぐり攻撃」をしたPCの分のHITはパーティのHITに加算されないとする
というデメリットと、背後に回れたら(器用度SRに成功したら)、首狙いの攻撃を外しても
(幸運度SRに失敗しても)反撃は無いと言うメリットを追加しても、程よいバランスだ。



これなら、PCが安易に挑戦しても、失敗確率も高いしパーティに与えるデメリットも大きく、
とはいえ、成功した時のメリットの大きさを考えると、一考の余地がある、程度にはなる。


○○○
次に、この判定の背景を考えてみよう。


「格闘家」というタレントは「狭義」か「広義」かという点を考える。


「狭義」のタレントは、使える幅は狭いが、SRを1,2Lv下げる効果がある。
「広義」のタレントは、使える幅は広いが、SRを下げない、または下げても1Lvだけ。


今回は「格闘家」は「広義」のタレントと考えておく。
回避専門の「無想転生」とかだったら「狭義」のタレントでも良いかな(笑)


「格闘家」のタレントでそれぞれ1LvのSR低下が発生していたと今回は考えよう。


また、SRにはシチュエーションによる修正を入れておいた方が良いので、
(その方が、PLが状況にあったアイディアを出しやすくなる)
「オークは格闘家と戦った事が無い」、「背後からの攻撃」でそれぞれ1LVの
SR低下が発生したとして、最終的な元のSRは5Lvだったと考えられる。



何も考えずに「俺様は敵の攻撃を華麗に躱して、背後から一撃で敵を倒すぜ!」と
のたまうPCには「器用度と幸運度でそれぞれ5LvのSR」を要求する訳だね。
5LvのSRの目標値は40だから、器用度幸運度18のPCでもゾロ目が出ないと全然届かない。


その後「格闘家だから」とか「俺様の無想転生が火を噴くぜ」「いや、背後だから」とか
何とかアイディアを出し合って、最終的なSRを算出する訳だ。
まぁ、こんなもんじゃないかね。


○○○
更に、発展を考えてみよう。


この格闘家のPCが、頑張って幸運度を3点伸ばし「回避」のタレントを取ったとする。
(いや「夢想転生」でもなんでも良いけどさ)


すると。


・攻撃をかわして背後に回り込むSR
5LV(基準)-2(回避タレント)-1(状況:格闘技初見)で2LvSRで目標値25。
器用度18でタレント+3なので、判定値は21なので2d6で4以上。成功率92%。


・背後から一撃で倒すSR
5LV(基準)-1格闘家タレント)-1(状況:格闘技初見)で3LvSRで目標値30。
幸運度21でタレント+3なので、判定値は24なので2d6で6以上。成功率72.2%。


こんな感じで、途端に楽勝になる。約67%。
リソースをそれなりに振り込んで、一対一の戦いのエキスパートになったと考えれば許容範囲かな。


「急所が分からない」「背後も見える」「相手も格闘家だった」「狭くて後ろに回れない」など
色んな不確定的要素もある訳だしね。


○○○
これを踏まえた上で、修正点を考えてみる。


個人的見解としては、「首筋を撃って一撃で勝利する」の処理を、自動成功じゃなくて
「防御点無効でダメージ2倍」と言う形で処理したい。
低レベルな頃は十分な意義がある数字だけど、MRが上昇した高レベルでは更に一工夫必要になる筈だ。


盗賊も巨人もショゴスも一撃でKOってのは、ちと後に問題を残すと思うので。


○○○
更に派生の話もあるのだけど、それについては、また今度。