ビギナーさんに向いてる用TRPGって何?

ちょっと話題になってたので少々。


最初に偉そうな事を言うなら。


「そんなの決まってる。私がマスタリングするTRPGだ」


みたいな話になります(笑)
誇大広告は抜きにするなら、要するに状況によるって話ですが。
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正直な話、ビギナーさんに向いているシステムと言うのは「ビギナーさんが興味を持っているシステム」である事は間違いなかろうと思います。


ダブルクロスのリプレイ読んだ人達相手にするなら、私はダブルクロスで初セッションしますし、クトゥルフ好き相手ならクトゥルフで遊びますね。
当たり前の事ですが、自分が興味ある分野の方が関心が強いし、それはそのままゲームへの熱中度、ルールへの拒否感の無さ、に直結していきます。


次の選択肢としては、マスターの習熟しているシステムを勧めます。
ビギナーさん相手の初セッションは何かと大変ですから、マスターをする自分が慣れているシステムの方が絶対に良いです。
まずは自らの基盤を固めなければ他の人の面倒が見れないのは必然でしょうね。


あとは、ビギナーさん達の資質や好みからも検討しますね。
ファンタジー好きなのか、戦闘好きなのか、演劇好きなのかにもよるし、がっちり遊びたいのか、軽く遊びたいのかにもよるでしょう。


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って、ここまでが一般論。こっからは、もっと個人的な感覚の話です。


正直「TRPGを遊んでみたいな」と言う人の半数近くは「TRPG=ファンタジー物」と思っている気がします。
ファンタジー人気は恐るべきもので、コンベでも「明らかに超地雷」というマスターの卓に「剣と魔法のファンタジーだから」と人が集まって行くのを度々見ます。
まぁ、それも当然か。RPG自体がほとんど剣と魔法のファンタジー物ですもんね。


と言う訳で、ビギナーさん相手の場合、私は剣と魔法のファンタジー物をお勧めします。
勿論、相手の意見を聞いて「ファンタジー物を希望したら」ですけどね。



慣れ親しんでない世界、という意味では、ビギナーさん相手に剣と魔法のファンタジーが向いてないというのが理屈じゃないかな、と思う時はあります。


この理屈に則れば、Aの魔法陣で現代ものとか異能使いとかダブルクロスとかクトゥルフが向いている事になるし、実際にビギナーさん相手に遊んで好評だった事もあるんだけど、なんかそれでもやっぱりファンタジー物の方が好かれている気はします。


クラスに「戦士」があると「攻撃する人」という明確な目的があるせいかも。
あとは「剣と魔法のファンタジー」がゲーム的に「慣れ親しんでる世界」なんのかな(笑)



と言う訳で、やっぱり一押しはアリアンロッドです。


世界観もシステムも奇をてらわず手堅く王道を固め、それでいてラノベやアニメで見たような「ライトファンタジー」な要素も押さえています。
プレロールドも容易してあって簡単に遊び始められるのに、やりこむ気になれば上級ルールもかなりあるし、リプレイも盛んで面白い物も多い。
いやー、まいった。頭二つくらい飛び出てるよね。流石さすが。


「データが多いルールだから向いてないんじゃないか」という意見はあるけど、それはビギナーさんに最初からフルスクラッチさせる事自体が運用的に間違っている訳で。
スタートアップから選択して、名前や境遇だけ決めて肉づけして本人のキャラにして行くのがデザイナーがの意図な訳ですから。


あとデータが多いTRPGで言われるのは「「読み込む人」と「読み込まない人」の差が広がる」って話だけど、これもルールのせいにするのは変な話。


そりゃ、ファイティングファンタジーで、能力値が技術点と体力点だけなら『「読み込む人」と「読み込まない人」は共に不満だから公平』かも知れないけど何か違うだろう(笑)


それってルールの問題じゃなく最初に「どんなふうに遊びたいか」相談するべきよ?
最初に互いに歩み寄って貰えば解決する問題だからさ。
(具体的な落とし所としては、読み込まない人のPC作成に関してはGMが助言する、くらいで解決する事が多かった)



で、終わってしまうと寂しいので他のシステムを推薦してみましょう。
「D&D3.5eが如何にビギナーさん向けか」ってのは前の記事で書いたからやめとくとして
GURPSはビギナーさん向け…」ってのも簡単すぎるので(事前にテンプレートを用意しておけば、めっさ簡単にビギナーさん向けになるよ)やめておきましょう。


ここは、T&Tが如何にビギナーさん向けか、を力説するとしましょう(何故だ/何でも良いからさ



いや、ホント、マジでT&Tってビギナーさん向けなんだってば。


まずPC作成が超簡単。 6面のサイコロ3個振って能力値決めてくだけ!
そしてたらもう大体方向性決まるから、あとは戦士か盗賊か魔術師を選ぶだけの簡単さ。
GMは事前に「使いやすいタレント一覧」と「購入可能な武器防具一覧」を用意しておくとなおビギナーさんが遊びやすくなるよ。


ゲーム中の遊び方も超簡単。やりたい事をGMに言えば目標値をGMが教えてくれるから、サイコロを二個振って自分の能力値を足すだけ。他に何も考えなくて良い!
後はGMが成功失敗を教えてくれるさ! あ、ゾロ目が出てたら振り足しね。


戦闘なんかもっと簡単さ。 立ち位置とか技能とか考えなくてもなんとでもなる。
武器で決まるダイスを振って戦闘修正値(PC作成時にGMに聞こう)を足せば終わりだ。
パーティ全体の数字の合計を敵と比較するだけ!


いやー、もうね。ビギナーさんが何が嫌って「訳分からん数字と用語が次から次に出てきて、足し算引き算を何度も何度もするのが苦痛」なのだよ。
そしたら、数字と用語と計算が極めて少なく、それでいて「戦闘して勝つ」と目的が明確なT&Tがビギナーさんに向いているのも寧ろ必然と言うもんだ。


ビバ! T&T!!



こんな感じでどうか(^^) 
GMは、上記の感じで大部分は遊んで、時々「単純に殴るだけでは勝てない敵」を用意すれば、段々慣れてきたビギナーさん達も色々と創意工夫をし始めるでしょう。
その時は、適切なSRをする事でGMも簡単に対応可能です。
面倒なルールは、とりあえず全部省くのがお勧めです。なんなら魔法も減らしとけ。


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まぁ、結局は「仮想的ビギナーさん」ではなく、自分の目の前のビギナーさんを良く見て、状況を分析して、適切なルールでセッションを楽しむのが一番って事だね。


平凡な答えだけど、真理って往々にして平凡なもんなんじゃないかなー。